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2005年7月

2005/07/26

『バッド・エデュケーション』(57/100 '05)

今年57本めの映画は、ペトロ・アルモドバル監督『バッド・エデュケーション』。

アルモドバル監督のここ最近の作品はずっと見てるのですが、
今回はこれまでの作品とは趣のちょっと違う映画。
もともと作品の下知識を極力排して見に行くようにしてるのですが、
これは予告から得る情報だけでは計り知れない内容でした。

キャストも豪華。
さすがにそろそろ名前を覚えてきたガエル・ガルシア・ベルナルが、
今回そうとうよかった。彼の作品はこれまで『アマロ神父の罪』『モーター・サイクル・ダイアリーズ』と2作を見たけれど、これがいちばんいい。
これだけの姿を一本の映画でよく演じたなぁと思って。

アルモドバル自身ともいえる若き映画監督にフェレ・マルチネス。
彼も、迫真の演技。とくに葛藤を抱いてからの彼は。
『トーク・トゥー・ハー』で眠れる主人公を演じたレオノール・ワトリングもちらっと出てました。

本来ならネタバレしちゃうとこですが、
これはやっぱり知らないまま見たほうが絶対いい映画なので、
何も言わないことにしておきます。
でも最後にひとこと。

「アルモドバル、天才っっ!!!」

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2005/07/24

『オーバー・ザ・レインボー』(56/100 '05)

2005年56本めは『菊花の香り』に引き続き、
チャンジニョン出演作。共演、というか、主演はイジョンジェ。
こっちのほうが、『菊花の香り』よりもずーーーーーっとよかった。
以下、ネタバレ。


気象予報士のイジンスは交通事故にあい、記憶の一部を失ってしまいます。
彼のなくなった部分は、大学のときからずっと想い続ける女性に関すること。
親友のサンインにも話していなかったその女性についての記憶を、
ジンスは大学時代の友人を訪ねて記憶を取り戻そうとします。

親身になってくれたのは、ヨニ。
学生時代いつもいっしょだった彼女と卒業後は会うこともなくなっていましたが、彼女は実はサンインとつき合い、そして最近別れ、傷心を紛らす意味もあったのかもしれません。

ジンスの想い人探しは、彼に新しい愛を与えようとします。
けれど始まりが「想い人探し」だっただけに、
なかなかそれを言い出せないジンス。
ヨニも、なんとしてもジンスの想い人を探すことに固執しています。

そんなとき、サンインが長い出張から戻ってきます。
彼がジンスとヨニと関わるとき、隠されていた過去が表に現れて。。。

この手の映画は、じつは大好きです。
大きな展開もなく、たんたんと日常を切り取っていて、どこにでもありそうなお話で、でも見終わったあとに輪郭のぼんやりとした、せつなさとしあわせのないまぜになったうす桃色の雲のような感情が残る映画。
たとえば、『チョコレート』や『恋風恋歌』のような。

イジョンジェはこれまでさほど「いいな」と思ったことがなかったのですが、
本作ではふつうの人をふつうに演じていて、とても好感をもちました。
くしゃって目がなくなっちゃうように笑う顔が、なんだか素のようでいいかんじ。

チャンジニョンも素に近いかんじで、演技しているというふうではぜんぜんなくて。

主演のふたりのほかにも、じつはけっこう知ってる人が出てました。
ヨニの同僚役に、『スカーレットレター』でハンソッキュの妻を演じたオムジウォン。
ふたりの大学の同級生に、『パリの恋人』でパクシニャンの元妻を演じたキムソヒョン。

好き嫌いの分かれる映画だと思いますが、あたし的には、おすすめ、です。

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2005/07/22

『菊花の香り ~世界でいちばん愛されたひと~』(55/100 '05)

2005年55本めは『菊花の香り』。
『殺人の追憶』で短いながらとても印象的な容疑者を演じたパクヘイルの、
『殺人の追憶』よりも1年前の主演作品。
ネタバレします。


アメリカの高校を卒業したイナは韓国の大学に通います。
そこで出会った年上の女性ヒジェ。
菊の香りのする髪のヒジェに、イナは心を奪われます。
ヒジェに愛を告白するイナですが、
「一時の情熱」だと言ってあっさりと断られます。

けれどヒジェを忘れられないイナ。
大学を卒業し、兵役を終え、ラジオ局のディレクターになって7年が過ぎますが、どうしてもヒジェを忘れられません。
ヒジェはその間、婚約者と両親と乗った車で事故に遭い、自分だけが生き延びた罪悪感から、心を閉ざして生きています。

待つだけでは何も変わらないと動いたイナ。
心を通わせたふたりは結婚します。
子どもも宿り、人生でいちばんしあわせなふたり。
けれど、そんなヒジェに病魔が巣食っていたのです。
ヒジェは、助からない自分の命を長らえるより、子どもを産むことを決めます。
隠し通せるはずもなく、それはやがてイナの知るところとなります。


ひとりの女性をずっと愛し続け、ようやく報われたときに絶望の縁に落とされるイナ。
ひとりだけ生き延びたという罪悪感ごと自分を愛してくれるイナと新たな道を歩み始めることで、人生をやり直した矢先にその人生の先が長くないことを知るヒジェ。
どちらもやりきれない想いを抱えて、でも互いにそのことを言わずに過ごす最後の2か月あまり。
その風景と音が、とても美しく描かれている映画でした。

とくに、落ちたイチョウの葉で黄色に染まった歩道を、
イナがヒジェをおぶって歩いて行くシーン。
そして、夕焼けでオレンジ一色の画面の中を、
車いすに乗ったヒジェを押して歩くイナのシルエット。

最後まで泣かずに終われそうかなと思った矢先、
幼いチェインにやられてしまいました。
かぶるように流れるソンシギョンの歌声にも。
これがなければ★3つ半というところでしたが、チェインのために★4つに。

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2005/07/16

『天国からの手紙』(54/100 '05)

シンハギュンが見たくて借りたら、キムヒソンが出てた。
きちんと調べないで借りるからこういうことがまま起こります。
出てきて、「えっ!」ってのけぞって驚く。
以下、ネタバレあり。


全州の山間の田舎の村。
そこに住むソヒは、母を亡くし、父までも亡くし、
祖母とふたりで暮らしています。
その父が火星に行ったと最後に言ったことを信じて、
父親に手紙を書き送るソヒ。ソヒを思う少年スンジェは、
そんなソヒのために父親として返事を書き続けます。
けれどある日、ソヒはソウルの叔母の家に引き取られて行きます。

大人になったスンジェ。兵役後にソウルで暮らしたものの、
故郷に戻り郵便配達員をしています。
銀行もインターネットカフェもないけれど、平穏で心安らぐ暮し。
スンジェは今度は、ソヒの代わりになってソヒの祖母に手紙を書き続けています。
そんな村に、ある日ダム建設のために村ごと水の底に沈むという話が舞い込みます。
反対派と賛成派に二分される村の人たち。

その村に、ソヒが帰ってきます。ソウルでいやなことがあったから。
つかの間、心を通わせるソヒとスンジェ。
けれどソウルに戻れば、ソヒはまた田舎のことなど忘れ、
恋に仕事に生きるのでした。
ソヒにあっけなくふられたスンジェですが、彼女を想う気持ちは変わりません。

いよいよ村が水の底に沈むことが決まり、
村人はひとりまたひとりと、村を去っていきます。
スンジェの家族もまた、トラックで町を出ます。
けれどスンジェはソヒが「スンジェがいつもそこにるような気がする」と言った桟橋に向かい、釣り糸を垂れるのでした。

一年後、恋も仕事も失って、心にスンジェだけを抱えて生きるソヒのもとに小包が。
それは久しぶりのスンジェからの誕生日の贈り物でした。
消印がどうしても読めなかったソヒは、スンジェの行方を尋ねようと村を訪れますが、そこである事実を知ります。



純粋で、ガラスのように透明で、人の心を映す鏡のようなスンジェ。でも同時に、とてもとても壊れやすい彼。
辛い境遇から、自分の力で人生を切り開こうとしながらも、
運からは背を向けられ続けるソヒ。
そのソヒが最後にたどりついたもの。
ほんとうにだいじなものはなにかに気づいたのに、もう遅かったのです。

原題は『火星に行った男』。
火星には、ソヒのだいじなひとがみんないるのですが、それはほんとうは地球のすぐ隣を回っている火星にじゃなくて、自分の心の中にあるんだ、というくだりはほろりとします。

けれど、全体的にはどうしても小粒感が拭えない。
もう少しひねりがほしかったかな。
ダム建設で消えてしまう村という設定にする必然性が、やや稀薄。
ふるさとは、ふるさとのままそこにあってもいいのに。
それまで消してしまわなくてもいいのに、と。
ふるさとの村を、たどり着けない火星と同じ場所にしてしまいたかったのかな。

キムヒソン演じるソヒの子ども時代を、『ガラスの靴』のユニの子ども時代を演じていたハスンニがやっていました。たっしゃね、この子。
スンジェの弟はどこかで見たなーと思ったら、『アナーキスト』の語り役のキムイングォンでした。

そういえば、スンジェのお母さんが熱心に見てたドラマが、『その陽射しが私に…』だったな。
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2005/07/14

『セックス イズ ゼロ』(53/100 '05)

ハジウォンはあんまりすきじゃないんだけど、気軽に見れそうだから借りてみた。
それにしてもすごいタイトルだな。
ネットじゃなきゃ借りれないよ、店頭じゃ恥ずかしくって。

ラブコメです。それもかなり過激な。
これで韓国じゃ400万人以上の観客動員をしたそうです。
R-18指定がついたというのに、よくもこんなにたくさん見たもんです。
以下、ネタバレあり。


兵役を終えて大学に復学したウンシクは、
エアロビ部のスター、ウニョに一目惚れ。
なんとか彼女に近づこうとしますが、失敗ばかり。
そうこうしているうちにウニョはプレイボーイのサンウクとつき合い始めます。
それでもウニョを思い続けるウンシク。

そんなある日、ウニョに誘われたウンシク。
デートだと意気込んで行ったところ、行き先は病院。
ウニョが、サンウクとの子どもを堕ろすためでした。
精神的にも肉体的にもつらいウニョを、そばで慰めるウンシク。

エアロビの大会の日、ウニョは無理して出場しますが、出番のあとに大出血。
彼女を病院に運んだウンシクは、
前の彼女ともとの鞘に納まったサンウクを許せずに。。。


正直、前半は「やべ」って思った。「時間のムダだったかも」って。
エピソードの断片の寄せ集めだし、
さすがにちょっと引くくらいムダに過激な描写だし。
あそこまでやられちゃうと笑えない。みたいな。

後半になってストーリーが流れてきたら、けっこう見やすくなった。
あのまま終わってたら、ほんとに時間のムダ映画になっちゃうところでした。

見るべきところは。。。。ハジウォンのエアロビかな。
ハジウォンファンには、ね。
あ、あと、『バリ出来』のミヒをやってたシニが出てました。
これ見どころ。だと思う。
あいかわらずいい味だしてます。

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2005/07/12

『リンダ リンダ リンダ』(52/100 '05)

今年52本めの映画は、試写会で『リンダ リンダ リンダ』。
ご存知、ブルーハーツの名曲に乗せて、高校生の青春を描いた作品です。
去年の秋の始め、ペドゥナが高崎で 日本映画の撮影をしてるという記事を読んで、「絶対見なくちゃ!」と決心した映画ですが、幸運にも試写で見れることに。
以下、ネタバレあり。

学園祭を目前にして、バンドで内紛勃発。
高校最後の学園祭になんとしても出たい恵(ケイ)は、慣れないギターを自分が弾き(ほんとはキーボード)、ドラムの響子、ベースの望とともに、オリジナルは無理と諦めコピーをすることに。
そして部室で探し当てたのがブルーハーツ。
でも肝心のボーカルが不在。本番まであと3日。悠長に構えてるヒマはない。
そして声をかけたのは、韓国からの留学生、ソン。
4人は徹夜に徹夜を重ね、とうとう文化祭最終日のステージを迎えることに。。。

と書くと、熱い熱い青春映画のように聞こえるけれど、じつはまっっっっったりした空気のながれるなんとも不思議な映画。
ものすっごい真剣なんだけど、あんまり集中力は続かない。
だって家も問題ごたごたあるし、恋もだいじだし、それにお誕生日ももうすぐだし。。。
それってほんとにあの年代の女子高生そのもの。
「だったらもちっとまじめにしろよっ!」って声も聞こえてきそうだけど、女子高生ってそれだけで割り切れないんだよね。
監督さん、男の方なのにそのへんがすっごくよくわかってらっしゃる。

ペドゥナが、『吠える犬はかまない』ばりの絶妙の間の取り方で、映画の雰囲気を作っています。
日本語でも、変わらぬ彼女のこの間、絶妙です。
たどたどしい日本語で意志の疎通が精一杯なのに、人の色恋には興味津々、知ってる日本語駆使して話しかけるとことか、もう最高です。
いい意味で中心。きつい言い方をすると、彼女の魅力にこの映画が依っている感も。

恵とソンの関係がすてき。
初日にバス停で、日本語と身振り手振りで話をするけれど、きもちの奥底には到底届かない、表面だけの遠慮した会話。
それが本番前日の夜、トイレでは、ソンは韓国語、恵は日本語で話しているのに、ちゃんと意思の疎通ができているの。
相手に気を使ってるふうはどこにもなくなって、本音で、飾らないで、素直に話してる彼女たち。
なんだかすっごくすてきだった。

彼女が日本語でブルーハーツを歌うというのでちょっと心配してましたが、これがどうして!
発音はもちろん、最後の舞台のシャウトも、決して激ウマではないのだけど、思いのたけを全部ぶつける青い春の潔さと、楽しくてしょうがないっていう気持ちの乗った歌。
バンドっていいなーーーって、素直にそう思える映画。
会場を出たら、ついつい口ずさんでいました、

♪リンダリンダ~~~ リンダリンダリンダァ~アァ♪

って。

劇場公開したら、また見に行っちゃいそうです、パーランマウムの演奏。
そう、パーランマウム。「アオイココロ」

リンダリンダリンダ DVD リンダリンダリンダ

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『パッチギ!』(51/100 '05)

きょうのほんとの目的はこっちの映画。
ロードショーのときは忙しくて見れず、とっても楽しみに見ました。
以下、ネタバレ。


ときは1968年、場所は京都。
ごくごく平凡な男子高校生、松山康介に訪れた恋の予感。
でも相手は朝鮮高校総元締アンソンの妹、キョンジャ。
恋の予感は同時に、波乱の予感でもあるのでした。

恋の第一歩はまず彼女と話すきっかけをつくること。
康介はブラバンでキョンジャが演奏していた
イムジン河をギターで練習することに。
けれど康介とキョンジャの間に流れる川は、
イムジン川よりもずっと川幅が広くて深いのでした。

でも若者はこれくらいでは情熱を冷めさせることはないのです。
愛があれば国境なんて! けれどこの川は、
ふたりの努力だけでは埋められない歴史の重さを流してる川なのでした。

と、くどくど書いてもおもしろさは伝わらないと思うので、ぜひ見てほしい。
今年、あたしの3本指に入る作品でした。
笑ったし、泣いたし、懐かしかったし、それに考えさせられた。

主演クラスがみなそれほど名前の通っている人じゃないぶん、
わきを固める俳優たちがすごいです。
オダギリジョー、前田吟、大友康平、光石研、ぼんちおさむ、余貴美子、笑福亭松之助、小出恵介などなどなど。
個人的にはモトキバンホー役の波岡一喜の今後に期待。


パッチギ! (特別価格版) パッチギ! (特別価格版)

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2005/07/11

『サマリア』、2005年二度目

同じ映画なので勘定に入れないことにしますが、ほんとうなら今年51本め。
4月に見たときに、「時間をあけてもう一度見なくっちゃ」と思ったので見たのだけど、結局時間をあけてもう一度見ても、感想は書けそうにない。
ただ、前回よりもずっと涙がこぼれた。
以下、ネタバレします。


思い出したことは、つぎのみっつ。

サティのジムノ・ペディが使われていること。
チェヨンがいっつも笑顔、死んだときの顔も笑顔だったこと。
石が、後半たくさん出てくること。

石は、タイトルのサマリアともども、キリスト教的イメージを喚起させます。
娘が男と車の中で事に及ぼうとするときに父親が車に投げつけたのも石。
娘の最後の償いの相手にとどめを刺したのも石。
娘を心の中で葬って、彼女を埋葬したのも石の河原。
その河原で、黄色に塗って道路の代わりにしたのも石。

石は、罪人の未来を奪うと同時に、
娘の負の部分を葬り、
さらに娘がひとりでその先の人生を進むための道標になっている。

重い重い映画だということだけは、変わらない印象。

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2005/07/08

『おばあちゃんの家』(50/100 '05)

やっと目標の半分、50本めの映画を見ました。

『悲しき恋歌』でクォンサンウの子ども時代を演じてすっかりあたしの目を奪ってしまったユスンホくんですが、その彼の主演です。当時10歳。

「絶対泣くよ」と予言されて見たのでだいぶ構えていたせいもあり、号泣するにはいたりませんでしたが、ほろりとする、とても後味のいい映画でした。
都会っこのサンウが突然田舎にほっぽり出された不満からおばあちゃんに悪事の限りをつくすのですが、懐の深いおばあちゃんは決して叱らず、愛情をすべてサンウに注ぎ込みます。
そして、サンウもやがてはその愛情に気づいていくのです。
というのが大筋。

監督さんがインタビューで、「おばあちゃんは自然であり力だ」とおっしゃっていましたが、何もかも受け止めるさまはまさに母なる大地。
わがままを言うのは孫の特権だけれど、それを受け止めるのは苦痛でも忍耐でもなく、やっぱり祖母の特権なんじゃないかって思わされます。
両親にも、きっとそんな権利は与えられていない、っていうか。
おばあちゃんやおじいちゃんにだけ与えられた、孫の心をひとりじめできる権利。

すっかり安心しきって見た特典映像のメイキング。。。
実はこっちで大泣きさせられちゃったというのは、くやしいから内緒にしときたい。。。

おばあちゃんの家 DVD おばあちゃんの家

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2005/07/03

『ブレックファスト・クラブ』(49/100 '05)

   
80年代のいわゆる「青春アイドル映画」を代表する映画のひとつ、
『ブレックファスト・クラブ』を見る。

監督ジョン・ヒューズは当時、モリー・リングウォルドとのコンビで
『すてきな片想い』を成功させてて、
いわゆる青春ものの先頭を突っ走っていたというかんじ。
柳の下の2匹めのドジョウを狙ったかどうかはわかりませんが、
ともかく同じコンビで本作を作ったわけです。

でもブレイクしたのはエミリオ・エステベスとジャッド・ネルソン、
そしてアリー・シーディーのほう。エミリオとアリーはすぐに、
同じく「青春アイドル映画」の代表作のひとつ、
『セント・エルモス・ファイアー』にも出てるし。

当時はエミリオがいいか、ジャッドがいいか、
なんつー話題で乙女は盛り上がっていたわけですが、
いま見てみると、やっぱり80年代に受けた容姿なんだよなーって気がします。

学校がレッテル貼られる場所なのは、古今東西、洋の東西を問わず、です。
貼られたレッテルの同じ人同士が徒党を組んで、そのレッテルの許される範囲内の行動だけしてれば、なにも問題なく卒業できるんですね。
つまんないかもしれないけれど、そのほうが利口だったりもするわけです。
こ の映画は、5種類の違うレッテルを貼られた、
ふだんなら到底交わるはずのないグループの生徒が、
懲罰のために休日というのに(でも土曜。当時、
「アメリ カって土曜は休みなのかっ!」と驚愕したことをいま思い出した)
集められて、図書館で「自分とは?」って作文を書かせられる、
というところから物語が始ま ります。

最初は敵対心むき出しでひっとつも噛み合なかった歯車が、
相手をののしる、つまりはほとんど本音をむき出しにして話しているうちに、
お互いを理解し始める、というのが大筋です。

理解するのはいいんですけど、たった半日で最後には2組のカップルができちゃって、別れ際に親の迎えの車の前でキスしちゃうんですね。
これも当時のあたしには驚愕でした。
「そんなに簡単にキスしちゃうのかっ! しかも親の前でっ!」って(笑)

ムダにくっついちゃって余韻を残すって終わりかたをしないのは
今も昔もハリウッドの掟です。
あ、いや、ムダかどうかは監督さんにお話きかないといけませんけど。

さて、『セント・エルモス・ファイアー』と
『フェリスはある朝突然に』も探して見てみようかなー。

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2005/07/01

『モーターサイクル・ダイアリーズ』(48/100 '05)

本日は二本立て。
二本めは『モーターサイクル・ダイアリーズ』でした。

あたし的名前覚えられない俳優部門第二位のガエル・ガルシア・ベルナル主演。
ちなみに第一位はハーレイ・ジョエル・オスメント。
ミドルネーム入れるのはやめてほしいです。

それはさておき、とてもよい映画でした。
若きチェ・ゲバラが旅を通して学んだこと、とひとことで片づけるのは簡単ですが、それが彼の人生を大きく変え、さらに南米社会を大きく変え、それが全世界に少なからずの影響を与えたことを考えると、深い深い映画だと気づかされます。

思えば人は、放浪に近い旅をすることでその後の人生を決定づけてしまうことがままあります。

たとえば写真家・星野道夫氏。
彼は16歳のときに北米をヒッチハイクで回り、その経験が彼をアラスカへ、そして写真家へと導いたのです。

たとえば建築家・安藤忠雄氏。
大学で建築を学んでいない彼は、実際に自分の目で偉大な建築を確かめるため、ヨーロッパやインドを回り、建築そのものと、その建築が建っている場所の空気を体の内に取り込んで帰りました。

18世紀、イギリスの上流階級の若者が自己教育の一環としてヨーロッパ、とくにローマを巡りました。俗に言うグランド・ツアーです。見聞を広げ、実地訓練を積むことが目的でしたが、ゲバラにとってのこの旅は、まさにグランド・ツアーにほかならなかったのでしょう。

人との出会いによって多くを学び、助けられ、優しさに触れ、豊かに成長するだけでなく、宗教的、人種的、思想的背景によって、あるいは病気という要因によって差別されるという歪んだ南米の一面をまざまざと見せつけられて変わっていく様を、ベルナルはよく演じています。

というよりも、ベルナル自身がこの映画を通して多くを学んだのかもしれません。
ときおり、俳優ではなくその土地に本当に暮らしている人ではないかと思わされる人が出てきますが、そんな人たちと話しているときのベルナルは素の顔に見えたから。

なんにせよ、よい映画を見たなぁと、素直に思える映画でした。

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『エターナル・サンシャイン』(47/100 '05)

ジム・キャリーがあんまりすきじゃないとか言っておきながら、
今年すでに2本、彼の映画を劇場で見てしまった。。。

前半は大まじめなジム・キャリーに一瞬「かっこいい?」とか思っちゃったりもしたけれど、結局は「おいおい、それで終わりかよ」でした。

時間軸をあっちやったりこっちやったりして混乱させられるのは、
ちょっと『21グラム』を思い出したけど、
こっちはラブストーリーに微妙なコメディーのふりかけ。
ケイト・ウィンスレットの髪の色でなんとか前後関係を探れはするけど、
現実にはなかった夢の中だけの出来事が混じるもんだから、
なんだか真剣味というか切実さというか、
ともかく必死さが削がれてしまうんだよね。

それでも中盤から後半までは追いかけていったのに、
最後の最後がどうもなぁ、でした。
けっこうすすり泣きが聞こえたから、あたしのほうがおかしいのかなぁ。
5点満点で星3つ。
ジム・キャリーの違う一面が見れたってことでおまけして、星3つ半にしとくかな。

キルスティン・ダンストが出てるんだけど、『バージン・スーサイド』のころの美しさはすっかりどこかにいっちゃって、なんだかおばさん度高い気がするんですけど。
あんなにかわいかったのになぁー。

それよりイライジャ・ウッド、パンツ泥棒っていうのはどうなの?
きみのキャリアにそれが加わっちゃっていいわけ?

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