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2005/12/07

『僕が9歳だったころ』(101/100 '05)

日本では見れないと諦めていた『僕が9歳だったころ』が
来春に公開が決まったと喜んでいたところ、試写会に行く機会に恵まれました。
原作はウィギチョルの『9歳の人生』ですが、以前に読んでたいへん気に入ったものの、あれをどう映画化したのかな、という一抹の不安も。。。
読後の印象がどう変わるか、それも楽しみに見てきました。
以下、ネタバレ。


ヨミンは山の村に住む9歳の男の子。
そんな気はさらさらないのに、なぜか大将に収まっている。
山の村に住む人はみんな貧乏だけれど、助け合って、それなりに生きている。
ヨミンは、目の悪い母が人にからかわれないようにと、
アルバイトに精を出している。母にサングラスを買ってあげるために。
それが9歳のヨミンの、最大の関心ごと。

ある日、ソウルからかわいらしい転校生・ウリムがやってくる。
クラスのみんなは戦々恐々。男の子はみんな彼女に心を奪われて、
女の子は先を争ってウリムと友だちになるか、
そうでなきゃライバルと認定して徹底的に交戦態勢に入るか。
単純だったヨミンの9歳の人生が、いっきに複雑になった瞬間です。

ヨミンの隣の席に座ることになったウリム。
確かに顔はかわいいけれど、嘘はつくしワガママだし、
ヨミンは振り回されてばかり。大将の威厳も形無し。
でもやっぱり、ヨミンもウリムが気になって仕方ないのだけれど。
ヨミンに密かに想いを寄せるクムボクは徹底的にウリムをライバル視するけれど、
ウリムが嘘をついたりワガママ放題だったりするのには、どうも事情がありそうで。。。


原作ではヨミンとウリムの淡い恋はあくまでもエピソードのひとつでしかなく、
中心はヨミンが見たおとなたちの世界を、ヨミンなりの視点から理解して語る、
というものでした。でも映画では、ヨミンが恋をして、
そしてそれをおとなたちの恋の物語と照らし合わせて、
ひとつ、大きくなる、というところを中心に描いています。

自分の9歳のときってどんなだったろう。。。 映画を見ながら思いました。
ヨミンの世界は、恋が絡んだ瞬間に
複雑でややこしくて悩ましいものに変わってしまいます。
二十歳を過ぎるまでは、概して女の子のほうが男の子よりもずっと
ませているものですが、ウリムとクムボクときたら、
まるでおとなの女性のようにヨミンを困らせるのです。
この子たちが早熟なのか、それとも女の子はみんな早熟なのか、
はたまた、女ってこのころからまったく成長がないのか、
いったいどう考えたらよいものでしょう。

この恋は成就して、そしてその後、9歳の子どもにとってはどうにも越えられない壁に阻まれて散ることになるのですが、前半に散漫だったエピソードの断片が、
恋が進むにつれて一点に集約されていって、最後にほろりとさせます。

恋を知ると人生を知るのでしょうか。見えなかったものが見えてきます。
それは恋愛感情に絡んだことだけじゃなくて、ほかの、
そうたとえば、生きることのつらさも、見える。
最後に振り向いたヨミンの顔が、なんだかとても頼もしく見えたのはそのせいでしょうか。

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9歳の人生 Book 9歳の人生

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2004年 韓国 2006年2月公開 評価:★★★★ 監督:ユン・イノ 原作: [続きを読む]

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