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2007/07/21

『ボルベール〈帰郷〉』(36/100 '07)

ペトロ・アルモドバルという人は、「あたし的映画監督ベスト3」に、
常に入っている監督のひとりです。落ちない、ベスト3から。
最初に『オール・アバウト・マイ・マザー』を見たときの衝撃が、
いまだに尾を引いてるんじゃないか、って気もするけれど、
でもそうだとしたら、そういう衝撃って、いつか薄れるものであって、
いまだに薄れないのは、作品ごとに期待を超える何かを示すからだと思う。

本作『ボルベール』の主演はペネロペ・クルス。
そして前作『バッド・エドュケーション』を挟んで、本領発揮とも言うべき、
アルモドバル的女性観をこれでもかと表に出した作り。

世の中に、男性監督が作った「女性讃歌」の作品は数多く、
それらは女性の社会参加を謳歌するもの皮肉るもの多種多様で、
どちらにせよ、それが話題になるということ自体、
数年前の女性にとっては奇跡的な現象ではあるものの、
女性側から見れば「なにを勘違いしているのやら」的な理解が横行して、
多くの作品は「けっ」と、むしろツバを吐きかけたくなるわけで。

けれどアルモドバル作品は違う。
なぜ、どこが。そんなこと聞かないで。。わからないから。
わからないけれど、共感するんだもの。彼の撮り方は。

ペネロペ・クルスは、ハリウッドになんか背を向けたらいい。
ハリウッドで成功することにどんな意味があるのか、
この作品を見れば、だれもがそう思うに違いないと思う。
彼女の血には、間違いなくスペインのそれが流れている。

そしてなぜか、その血は、ほかのアジアの諸民族のどれよりも、
あたしたち日本人の血に、共感を、共鳴を、共振を、もたらす。
なんで、ギターの音があれほど眠る何かを刺激するのか、
なぜかなんて聞かないでほしい。だれにも説明なんてできない。

だから、見てほしい。

世界中に生きとし生けるもののなかで、なによりも強いもの、
それは「母」であると、この映画は教えてくれる。
男は、どんなにがんばっても母にはなり得ない。
そして女に生まれたからには、どんなことをしてでも、
きっと母になるべきだと、それが究極的な終着点なんだと、
なれていない自分は人生の半分をムダにしていると、
この映画は、あたしにそう訴える。強く、強く。

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