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2007/08/18

『ホリデイ』(47/100 '07)

今日明日と、東京で開催中のシネマコリア。
ここ数年は何本か見せていただいているのだけど、
今年はどれも見逃せないというかんじで、初めてのオール参加。
初日の今日は午後から2本を鑑賞しました。
まずはヤンユノ監督の『ホリデイ』を。

これはパルパルオリンピック、1988年のソウル五輪のときに、
実際に起こった事件をもとにした作品です。

五輪に向けて美化の名目の元にソウル市内のいわゆる不法占拠の山の村を、
実力行使で韓国政府が一掃するというようなことがあったそうですが、
その際に検挙されたチガンヒョク(実際のモデルはチガンホン)が、
その前に窃盗で3度検挙されていることもあり、実刑7年、保護監護10年、
合計17年の刑で服役。同房の面々も、スリやら軽犯罪にも関わらず、
保護監護期間のために実刑の倍以上服役することになっている人ばかり。

そんな中、ハゲオヤジこと全斗煥前大統領の実弟が数億の横領で逮捕。
実刑7年と伝えられたが、その後3年に減刑。
金のある者は、自らの罪でさえ金で買うことができるーーー
怒りを覚えたガンヒョクらは、貧乏人でも自分の意見を言う自由だけはあると、
移管中に脱獄を強行、人質をとって立てこもる。

ガンヒョクをイソンジェ、彼らを執拗に追う権力の象徴にチェミンス。
事件はマスコミを通じて韓国全土に生中継され、その際、
ガンヒョクの「有銭無罪、無銭有罪」ということばが放送に乗って流れたとか。
当時はガンヒョクたちは「凶悪犯」ということで報道がなされていたけれど、
その後、真相が究明されるにつれて、彼らの人質となった人たちが
異口同音に彼らに同情的な発言をくり返すーーー
実際、最後の人質となった一家は、減刑運動までしたという話です。

とにかく、腹が立って仕方がなかった。
見ていて、なぜこんなことがまかり通るのかと、本当に腹が立った。
部外者のあたしですらこんなに腹が立つのだから、当事者の心境を思うとやりきれない。

当時韓国はすでに盧泰愚政権だったわけだけれど、
保護監護法はどのような意図をもってかは不明なれど全斗煥が生み出し、
盧泰愚政権でも維持されたばかりか、廃止されたのは2005年のこと。
ついこの間だ。ソウル五輪はだいぶ昔のことのように感じるけれど、
この悪法はつい2005年まで公然と続いていたのだから恐ろしい。

イソンジェは劇中みるみるうちに痩せていくけれど、
監督はとりわけそう指示したのではないということだった。
本作は時間軸どおりに撮影され、その過程で、そして特にラストシーンのプレッシャーもあり、痩せたのではないかというのが、ティーチインでの監督の弁。
だとしたら、どれだけ彼はチガンヒョクに乗り移ってしまったのだろう。

彼と行動を共にしたミンスという若い男を、『バンジージャンプする』の
ヨヒョンスが演じている。久々にスクリーンで見たけれど、なかなかいい。

そして、最近のチェミンスは、こういういやらしい役が妙にハマる。

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