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2008年2月

2008/02/27

『ライラの冒険〜黄金の羅針盤』(17/100 '08)

ファンタジー好きを自称するなら、ライラのシリーズははずせない。
ここのところ相次いで人気作品が映画化され、こもれその一環か、と。
最初にコールター夫人をニコール・キッドマンがやると聞いたとき、
まぁ〜〜〜、なんとぴったりなんでしょ! と思ったですよ。
アスリエル卿をジェームズ・ボンドが? とも思いましたがね。

さて。
先行上映にのっかって、一足先に見てきました。
あれだけの大作を、いったいどう映像化したのだろうか、と。

結果から先に言うと、まぁ及第点、というところでしょうか。
物語世界を最初の数分でどう構築するのかについては、そうとう考えたのでしょう。
結果としては、まぁ無難なところに落ち着いたかな、というかんじです。
小説を読んだことのない人でも、基本的には問題なくいけそうです。
ストーリーを知っていてもなお、ドキドキしつつ見れたのは収穫です。

ですが、終わってみるとやっぱりもの足りなさが残るのも事実。
2時間という制約はいろいろなしがらみから仕方なかったのかもしれませんが、
ここはロード・オブ・ザ・リングのように、関係各位、それぞれが腹をくくって、
3時間いっちゃってもいいよ、なんてことになっていたら、
もっとずーーーーーっとおもしろい作品になっていたような気がします。

オーディションで選ばれた新人さんですから仕方ないかもしれませんが、
原作のライラはもっとイヤな子どもです。あたしが教師なら、
ぜったいに受け持ちたくない生徒ナンバーワンというくらい、
鼻っ柱が強くて揚げ足取って、ウソはつきまくるしワガママで自分勝手。
でも絶対に裏切らなから仲間の信望が厚いぶん、扱いに苦労するガキ。
でも映画のライラは、なんだかやけに大人しいんだよなぁ。

それからイオレク。
あたしの中ではレイモンド・チャンドラーの『長いお別れ』ばりのハードボイルドなのに、なんだかやたらめったら愛想がよくって、しゃべりすぎなんだよ、きみはっ!
と、イオレクが自分の過去をしゃーしゃーと話すたびに思いました。
声は某ガンダルフでかっこいいんだけどねー。

でも、パンはかわいらしくってよかった。
動物のCGは総じてよろしいかんじです。みんなかわいい。

小説を未読で映画を見ようというかたは、とりあえず

ダイモン
ダスト
アレシオメーター

あたりの用語をチェックしてから行くのがよろしいかと。

黄金の羅針盤薀ぅ蕕遼糎吋轡蝓璽此〉 黄金の羅針盤薀ぅ蕕遼糎吋轡蝓璽此〉

著者:フィリップ・プルマン,大久保 寛,Philip Pullman
販売元:新潮社
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2008/02/26

『太王四神記』(第9話)

三部族の私兵と王の近衛兵は対峙したままーーー

テジャ城に向かったタムドク。
兵士を引き連れ国内城にもどり王を守るつもりだ。
大長老がヨンガリョにそう言うのを聞いたキハ。
キハが聞いていることを知りながら、大長老は話し続ける。
何が望みなのかとガリョに問われて、大長老は言う。
「チュシンの王に仕えるのが我々の使命。ファチョン会は使命を果たすのみ。
 明日の朝、高句麗は新しい王を迎えるでしょう」

夜半、ファチョン会の私兵が城内に押し入る。
次々と倒される近衛兵たち。カクタンは王を霊廟へといざなう。
そのころ、キハもまた霊廟に向かっていた。

ファチョン会の私兵を火の力で倒したキハ。
霊廟に入れるのは王族と神官のみ。
カクタンはキハに王を託し、霊廟の外で警護につく。

王を守り、タムドクの待っている城の外へ連れ出すと言うキハ。
そうして三人で幸せに暮らしたいーーー
キハのその願いを知りながら、それでもなお王の決心は固い。
鄒牟(チュモ)王の剣を手に取り、穏やかに話す。
急いでと急かすキハに、チュモ王の母が作った陶器を取るよう頼み、
キハが背を向けたそのとき、王はチュモ王の剣で自らを貫く。
「余の息子はチュシンの星のもとに生まれた。
 余も、そなたも、邪魔をしてはならん」

苦しい息のもと、何度も何度も詫びを言う王。
キハとの繋がりを断つことは、タムドクのためにどうしても必要なこと。
騒ぎを聞きつけてカクタンが霊廟に足を踏み入れたのは、
ちょうどキハが王の胸から剣を引き抜いた瞬間。
駆け寄ったカクタンに、チュモ王の剣をタムドクに渡してほしいと告げる。
「余の敵を討ちたければ、この国、チュシンの王になれと、必ず伝えよ」
そう言って、王は息を引きとる。
現れたファチョン会の大長老でさえ、王の命を奪ったのはキハだと思い込む。

タムドクに頼まれスジニが城内にたどり着いたときには、すべてが終わっていた。
タムドクに伝えなければならないことがあると言うカクタンを伴い、
スジニはヒョンゴとともにタムドクの待つテジャ城に向かう。

ホゲがファチョン会と手を組んで王に手をかけたーーー
その事実がどうしても納得できないヒョンゴ

しかしテジャ城にはすでに手が回っていた。
城主が武器を捨てろと言うばかりか桂婁(ける)部族のチョジュドが顔を出し、
天地神堂と4部族長から通達があったと言う。
誰であれ太子を見た者は武器を没収して神殿に護送しろ、と。
テジャ城主はタムドクの援軍だと誤解したが、
タムドクの後方にはホゲ率いるファチョン会の兵士。
その兵士たちがタムドクを攻撃するのを見て、
ようやくテジャ城城主はチョジュドに騙されていたと知る。

そのころ、駆け抜けた伝令を、部下に命じて止めさせる男がいた。

攻撃を止めたホゲに、タムドクは自分だけ殺して帰れと言う。
手遅れだと言うホゲに、タムドクは1対1の勝負を挑む。
矢を左肩に受けていたタムドクだが、ホゲと互角に渡り合う。

そこへ、ようやく追いついたスジニ一行。
剣をあわせるタムドクとホゲの間に割って入り、
カクタンは残った力を振り絞ってタムドクにチュモ王の剣を渡すと、
王の「最後のことば」を伝える。最後のことばーーー
王が殺されたという知らせは、そして殺したのはキハだという知らせは、
タムドクを打ちのめしたばかりか、ホゲをもまた動揺させた。

一瞬の静寂のあと、ファチョン会の私兵は矢を放った。
タムドクを守ろうと、次々に倒れてゆく黒軍の若者たち。
それでもなお、タムドクへと向かっていくファチョン会を見たとき、
ヒョンゴは天高く杖を掲げた。杖が生み出した白い光がタムドクを守る。
ヒョンゴはゆっくりと歩み寄りながら、思い出していた。

チュシンの王が燃えるような怒りを感じたとき、玄武の神器が目覚めるでしょう。
時が止まり、その中におひとりだけ目覚めている方がいるはず。
その方こそ、チュシンの王なのです。

白い光の中に立っていたのは、タムドクその人。
「コムル村第72代村長、ヒョンゴです。玄武、朱雀、青龍、白虎、
 4つの守護神のうち、最初に王をお迎えする任務を授かった玄武。
 その神器を2000年間お守りしました。
 いま、チュシンの王をコムル村の名のもとにお迎えいたします」

そのころ、伝令を止めろと命じていた男は、伝令を追ってテジャ城へ向かう。
将軍と呼ばれたその男をテジャ城で向かえたのは半狂乱のテジャ城主。
チュシンの王に門を閉じたのではないかと泣き叫ぶ城主は、
眩しくて目を閉じたその一瞬に太子が消え、
遺体が並べられ、地面に文字が残されていた、と言う。
それを見たチョジュドは、それが古代文字だと気づく。
「チュシンの忠臣たちが王を守りてここに死す」

城内にもどったチョジュドは、大長老とヨンガリョに報告する。
しかし大長老もヨンガリョも、もうあとには引き返せない。
疑いを心にいただきながらも、彼らには先へ進むしかない。
城下には、ホゲに王位を譲ると言われたタムドクが、
部下を引き連れて城へしのび、王を殺したという噂が流される。

そこころタムドクは、ヒョンゴ、スジニとともにコムル村に到着した。
しかしタムドクは、王として遇されることに違和感を覚えていた。

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2008/02/23

『人のセックスを笑うな』(16/100 '08)

自転車に乗って向かった先は映画館。
心の距離が遠い渋谷に行きあぐねていた本作を、近場で見る。
毎回満席だ、みたいなことを聞いているので、いかほどのものかと。

いやぁーーーーー、長いっ! だらだら長い、無駄に長い。
監督の意図なのだろうが、テンポがトロイ。わけわからんカットも多い。
だれか救ってくれぇぇぇ、、、、、と、最後のほうはまるで修行僧のごとくイスに座ってた。
いやほんとに。どうしてこれが人気なのか。

永作博美のユリちゃんも松山ケンイチのみるめも蒼井優のえんちゃんも、すごくいい。
すごくいいのに、なぜこれほどつまらんのかっ!

先述の俳優さんも含めて、出てきた人たちみんなステキ。
ユリちゃんなんて、いたらホントに恋に落ちちゃうだろうと思う。
若くて青くて純粋ゆえにちょっとバカなみるめくんも、いとおしい。
台詞回しがとても自然で、設定だけ決めておいて、
「あとテキトーに、アドリブでよろしく」って言われたかのようで、
ものすごいリアル。
だけど、リアルすぎて笑えない。人のセックスを、笑えない、これじゃ。

なんなんだろうなぁ、原作を読んでないからなんともいえない部分はあるんだけど、
これはやっぱり、失敗なんじゃないだろうか。
ちっとも気持ちがのってこないんだよなぁ。
どうでもいい人から恋の相談をされてウンザリ、みたいな。そんなかんじ。
悪いけどあたし、あんたの色恋に興味ないのよねー、みたいな。

何が一番いけないかって、獅子舞とかロータリーをぐるぐるとかに時間をたっぷり使って、
最後の最後、肝心なところを文字で書いたよ!
ってところじゃないでしょうか。文字で読むなら、最初から小説を読みます。

でも、猪熊さんみたいなダンナさんは、ほしい。

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瀬木貴将@ナスカ展

ナスカ展に行こうとチケを手に入れたあと、
毎週金曜日には瀬木さんが太郎丸さんとライブすると知って、
これはなんとしても金曜に行かねばと決心するも、意外と出れないもんです。
というわけで、最終金曜日の昨日、無理やり会社を出て行ってきました。

時間もかなりぎりぎりで、第一展示室は、これが本来のナスカ展メインなのに、
はっきりいって素通り状態でした。横目でちらちら見る程度。
大急ぎで第二展示室のバーチャルシアターに向かったけれど、すでに人・人・人。
あっちゃぁ~~~、と思うものの、きょろきょろしたら見つかりました。
2列目センターの絶好の席がっ! あぁ、なんてラッキー!

瀬木さんは、なんだかほんとうに久しぶりでした。
相変わらずのハッピーオーラを身にまとっての登場でしたが、
最初のこれは、セッティングと音あわせだけ。
本番は6時からでした。このころには空席はないばかりか、立ち見もわんさか。

最初に、瀬木さん作曲のナスカ展のテーマを演奏されました。
おそらく、瀬木さんは初めてという方も多かったと思うのですが、
この最初の1曲で、全身を使ってサンポーニャ、ケーナを演奏する彼に、
がっちりハートをわしづかみされちゃったのじゃないかと思います。

2曲目にデザート(砂漠のほうですよ、食後の、ではなく)を演奏されて、
この次からがすごかった。なんと20分以上休みなく、次々に曲をつなぎ、
そして背後のスクリーンではナスカ上空を飛びながら地上絵をめぐるCG。
音と映像と、耳も目も、そして心も満足な、とても濃密な時間でした。
演奏がすべて終わったあと、拍手と歓声が沸いたのは言うまでもありません。

今回がラストということもあったのか、アンコールにこたえてくださって、
再びナスカ展のテーマソングを演奏してくださり、ライブは終了しました。
最後の最後、博物館のスタッフの方でしょうか、おふたり登場され、
瀬木さんに黄色いバラの花束を、太郎丸さんには赤のそれを贈呈。
ちょっと驚いた顔のおふたりが、なんだか妙に印象的でした。

うぅ~~ん、やっぱり生音っていいなぁ、、、
と満ち足りた気持ちでニコニコと家にもどると、
着替えもそこそこに自転車に乗り換え、別の場所に向かったのでした。

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2008/02/18

『太王四神記』(第8話)

長老に連れ戻されたキハは、ファチョン会に監禁されている。
何も知らずにキハを訪ねたホゲは、キハが戻った喜びを隠せない。
けれどキハはそのホゲに朱雀の心臓を渡し、本当の守り主を捜すよう頼む。
タムドクを想う自分には、国も神器もなんの意味もないのだ、と。
王になって、自分をタムドクの元へ送ってほしいと頼むキハ。
傷心のホゲが去ったあと、キハはサリョンを呼びつける。

キハの頼みを受けたサリョンは鍛冶屋を訪ね、絶奴部族を装ってチュムチを雇う。
ヨン家に捕われた絶奴部族の黒軍が、正午に首をはねられる。
その前に、彼らを脱獄させたいから、最強の傭兵を雇いたいのだ、と。
戻ったサリョンはキハに伝える。朝のうちに脱獄させること、
それを絶奴部族に、また、太子を保護するようにとも知らせたこと。

チュムチが動き出したころ、鍛冶屋にヒョンゴが訪ねる。
パソンから事情を聞いたヒョンゴは「罠だ!」と叫んで走り出す。
その同じころ、サリョンはファチョンの大長老から制裁を受けていた。
サリョンは先に牢獄に行き、火を放つと大声で触れ回る。
「脱獄だ、絶奴部族が助けに来た。脱獄だ」

大長老の仕掛けた罠は、太子と王を破滅に導くもの。
キハは自分の無力さを激しく嘆く。

遅れて駆けつけたチュムチがカギを壊し、黒軍は無事に脱獄する。
厳重な警備をかいくぐって、黒軍は難民村を目指す。
城下ではだれもが脱獄は絶奴部族のフッケの仕業と噂している。
そう聞いたスジニは鍛冶屋を飛び出す。

黒軍は脱獄、自分たちの息子は帰ってこない。
3部族の部族長たちはヨンガリョに焚き付けられ、王に兵を挙げる。
東南西の門が破られ、訪ねてきたヨンガリョは王に退位を迫る。
しかし王はそれを拒否。

王位が力ずくで奪われるのは時間の問題。
王は忠臣コを呼び、太子を捜索し、命がけで守るように命じる。
コは第2部隊とだい部隊を城に残し、残りをすべて捜索に出す。

黒軍が無事に城下を出て難民村に向かったのを追うように、
ファチョン会が大挙して城下を出ていくのを見たパソン。
それが昔、父を殺し、兄を行方不明にした「赤い奴ら」だと気づく。

ファチョン会を迎え撃つタムドクだが、人数では勝てない。
駆けつけた黒軍に救い出されたタムドクを守るように現れたのは、スジニ。
しかしタムドクは絶奴部族領内には行かないと言う。
やることがあると、タムドク。スジニと黒軍はタムドクを追う。

3部族の息子たちは王所有の庵に隠されている。
そう聞いた部族は庵に向かうが、これも巧妙に仕掛けられた罠。
タムドクがそこに向かうと当りを付けたファチョン会は庵を見張り、
タムドクが到着する一瞬前に息子たちを殺す。
そこに現れた部族長は、タムドクと黒軍の仕業だと思い込む。

なんとかその場を逃れたタムドクたち。
あの部族長が都に戻れば混乱が起き、父王の命があぶない。
タムドクはテジャ城に行って精鋭軍の力を借りることを決断、
スジニには国内城へ行って状況を探るように頼む。

大長老を訪ねたホゲは、太子が逃げ切ったことを知る。
自身の手でタムドクの息の根を止めさせてさしあげましょう、
3部族の恨みを晴らした英雄にしてさしあげましょう。
大長老のことばに、ホゲは耳を傾ける。

息子たちの亡骸を目の前に、部族長たちは決意を固める。
向けられた兵が、宮殿前で近衛兵と対峙する。
神官の声にも耳を傾けない3部族長たち。
天の意思も、彼らの耳には届かない。

そのころーーー
テジャ城に着いたタムドクたちを待っていたのは、
ホゲ率いるファチョン会。

いやぁ、こわいねぇー。罠、罠、罠、で。
大長老の本領発揮ってかんじです。
自分の息子がチュシンの王だと本気で信じているので、
王もヨンガリョも妥協点なんて見いだせないんだよねぇ。
その頑固さが、王を自ら窮地に入れてしまうのだけど、
ほんとうに天が定めたチュシンの王なら、変な小細工しなくても、
自分が王位を守ってそれを譲ってやるプロセスがなくっても、
最終的には王になりそうなもんだが、その考えは甘いのかな。

それにしてもホゲ、単純やわー。
惚れた女の心が自分には向きそうもないと知って、
そのお相手を憎さ百倍、というのは現代ドラマと変わらない。
こんなことで人を殺そうとか生かそうとか思うような人が、
そもそも王の器じゃないんじゃないか、と思ったりする。
顔的には、あたしはタムドクよりもホゲ何だけどなーー。

ところで牢屋に火を放たれたとき、スジニが凍りついちゃうんだよね。
何かを思い出すかんじなんだろうか。

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2008/02/17

『アドリブ・ナイト』(15/100 '08)

『春のワルツ』のハンヒョジュ主演、『アドリブ・ナイト』を見る。

何かのインタビューに答えて彼女が、台本をもらって読んでみても、
何が言いたいのか、どんなメッセージなのかが最初はわからなくて、
でも何度も何度も読んでいるうちに、ぼんやりとつかめてきた、
というようなことを言っているのを聞いたのだけど、
その意味が、映画を見たらすごーーーーくよくわかった。

確かに、強いメッセージ性はないし、
じゃ弱いメッセージがあるのかと言われると、
強いか弱いかはともかく、ひけらかしていない、
むしろひた隠しに隠そうとしているようなメッセージが、ある。
ともすれば「つまんない」のひと言で片づけられてしまいそうなこの映画が、
何とも言えない余韻を残して、映画館から一歩遠ざかるごとに、
じわじわと心に腰を落ち着けていくような、そんな感覚があった。
で、帰ってきて調べてみたら、監督はイユンギなのね。それで納得。

イユンギの監督デビューは『チャーミング・ガール』という邦題で、
2006年に日本で公開されたのだけれど、これもまた、
BGが極端に少なく、生活感を感じさせる音を見事に使って、
人のプライベートを覗き込んだような印象を与える作品で、
どこにでもいるふつうの人が抱え込んだ心の痛みを、
穏やかな視線で、その痛みを肯定も否定もすることなく描いている。
この『アドリブ・ナイト』も、その視線は変わらない。

土曜の午後、ソウルの街中で、人違いで声をかけられた女性。
10年前に家出したミョンウンにうりふたつだ、と。
人違いだと言う彼女に、彼らは言う。ミョンウンのふりをしてくれないか、と。
末期ガンで、意識もなく、死に行くミョンウンの父親に、
最後に一目、娘に会わせてやりたいから、と。

こうして彼女はミョンウンの父の元に向かいます。
行ってみると、そこはすべてが筒抜けの田舎の生活があって、
遺産を狙った弟や、借金を踏み倒せるかもと期待を寄せる隣人や、
ミョンウンの元恋人という若い男や、なにやかやが、雁首揃えているのです。
酒の勢いにまかせたのか、死に行く人の前で罵り合い、腹を探り合い、
けれど次の瞬間、思いやり深く頼れるお隣さんになったりもする、
濃密で明け透けで気心が知れていて、だからこそやっかいな関係。

家の2階で待機しながら、彼女はミョンウンを思います。
彼女のベッドに横になり、机に座り、彼女の靴下をはいて。
そうして、ドアひとつ隔てた下階の喧噪を聞きながら、
たった一晩のこの経験が、彼女を少しだけ、動かします。

ソウルにもどって彼女が最初にしたことは、
故郷を離れて都会に住む女性であれば、
だれでも一度は経験したことがあるはず。
何でもないこの行為が、ふだんは忘れているのに、
ほんの数分のこの行為が、どれだけ自分を勇気づけ、
どれだけ心を慰めてくれるかを、きっと知っているはず。

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2008/02/11

『太王四神記』(第7話)

第6話で、キハがホゲを「チュシンの王」と言っていたのは、
ファチョン会の大長老に操られていたんだ、ということが判明。
なぁるぅーー、それで辻褄が合うわ。

コムル村にもどり、弟子を集めたヒョンゴ。
朱雀の神器がチュシンの王を迎えたとの知らせを受け、村は動揺する。
ホゲがチュシンの王だということは確かだとしても、朱雀の心臓の守り主はスジニ。
スジニなくしては、朱雀の心臓が赤く光り輝くはずがないのに・・・

そのとき、国内城下で情報を探っていたヒョンミョンが言う。
「ファチョン会の大長老といっしょにヨン家に入った女を見た」
しかしなぜ、神器の守り主がファチョン会の長老といっしょにいるのか。
ヒョンゴは以前にファチョン会に操られた師がいたことを思い出す。
その師は、右肩に烙印を押され、ファチョン会に操られていた。
この烙印を押されると、死ぬまで抜け出せないことを。
そう、キハは何度もこの烙印を取り出そうとしながら、できずにいたのだ。

即位式の朝。
タムドクは廟から出され、正午からの式に出席するよう父王に言われる。
なぜ国が二分するようなことをするのかと詰め寄るタムドクに、
死んだ母親のものだったという小瓶を渡して、父王は告げる。

17年前、チュシンの星が輝いた日、産気づいたタムドクの母は
ひとり家を抜け出して山小屋へと行き、星のもっとも輝いた瞬間、タムドクを産んだ。
産後のひだちが悪く三日後に息を引きとるとき、母は言い残した。
きょうこの日を、タムドクの誕生日だと偽ってほしいと。
タムドクがチュシンの王だと信じた母は、最後まで息子を守ろうとしたのだ。
そして神官も、命を狙う者から隠れるようにと、「天のお告げ」を告げた。

しかし、即位式に現れたのは北の絶奴部族の族長フッケだけだった。
残る3部族は、息子が返されなければ即位式には出ない、と神官に詰め寄る。
即位式に族長が集まっていないことを知ったタムドクは
近衛兵のカクタンに状況を調べさせる。

そのころホゲは、キハを訪ねていた。
前日の夜にホゲを「チュシンの王」として迎えたことを覚えていないキハは、
ホゲから長老と父が誘拐を計画し、王に濡れ衣を着せたと聞かされたとき、
ホゲ自身がその計画に加担しているのではと、蔑みの表情で見返す。
前夜とは明らかに異なる態度、何よりもその蔑みの表情に傷つくホゲ。
誤解だと言うホゲを信じたキハは、タムドクを救ってほしいとホゲに頼む。
彼がいなければ、自分も生きてはいけないから、と。

カクタンからの報告で誘拐事件について知ったタムドク。
とそこへ、キハが訪れ、策略についてすべてをタムドクに知らせる。
タムドクは誘拐された3部族の息子を助けるべく、キハとともに城を出る。
そのころホゲは、長老を訪ねていた。責めるホゲに、長老は言う。
「王になるために血が流れるのは仕方ない。闇の仕事はファチョン会におまかせを。
 高句麗の市民の血は流れない。流れるのは、王と太子の血だけだ」

同じころ、ヨンガリョは3部族の意思を伝えるべく王に会っていた。
誘拐を絶奴部族の仕業ではと疑いを向け、3人の息子が返されるまでは、
絶奴部族の若者たちを返すつもりはないと告げる。
第三近衛兵カクタンからの報告を受けた王は騎馬隊をタムドクの護衛につける。

城に見張り台から伝令が飛んだ。
消奴(ソノ)部族の騎兵3000人が挙兵し、国内城に向かった、
順奴(スンノ)部族の私兵4500人も、同様に国内城に向かっている、と。
王は絶奴部族の北以外の門を封鎖するよう命じる。
そして、絶奴部族に国に帰るように命じる。タムドクが城を出たいま、
彼が身を隠せる場所はもう、絶奴の北以外に残っていないから。
そうして、即位式は無期延期にされた。

そのころ、騎馬隊と合流したタムドクは、3部族の息子が捕われている付近にいた。
偵察を、というタムドクに、騎兵隊の隊長は反旗を翻したばかりか、
国の安寧のためにタムドクに自害せよと迫った。
守ろうとするキハに、騎兵隊長は言う。なぜホゲに仕えないのか、と。
ホゲをチュシンの王と認めた朱雀の心臓の守り主でありながら。

キハがホゲをチュシンの王として認めたーーー
その事実が思いのほか深く、タムドクを傷つける。
「よろしい、自害しよう」 そう言ってタムドクは、最後に教えろと迫る。
ホゲが望んだのか、と。自分が死ぬことを、ホゲが望んだのか。
まさにそのとき、知らせを聞いたホゲが駆けつけた。ホゲは言う。
「太子も同じ日に生まれたんでしょう。でも王は二人はいらないのです」

ふたりのやりとりを見ていたキハは、そっとタムドクの手に針を刺した。
仕込まれた麻酔薬に、くずおれるように倒れるタムドク。
キハはホゲに約束する。明日の夜明けまでに城にもどる、と。
「太子に、二度と城にもどるなと告げてくれ。二度は助けられないから。
 太子が消えれば、王も安全だ。ああそれから、この陰謀は俺が仕組んだんじゃない。
 王になるなら正々堂々となってみせる」
そう言って、ホゲは騎馬隊とともに去ってゆく。

しかし、もどったホゲを、父ヨンガリョと長老が責める。
太子を殺さなかったことで、王に希望を持たせてしまったと。
希望があるいま、王は王位にしがみつくだろう。そうなれば、血が流れる、と。
「その責任は、ホゲ、おまえにある!」

夜、目覚めたタムドク。
とある流民の村へと、連れてきたのはキハ。
流民たちの生活を見て、タムドクは高句麗の現実を知る。城の外の、現実。
そして同時に、タムドクの心にキハの認めたチュシンの王が甦る。
タムドクは言う。自分に何ができるだろう。
国に背を向けられ、信頼を寄せていた女性に背を向けられ・・・
本心を聞かせてほしいと言うタムドクに、キハは答えられない。
キハの心もまた、ふたつの思いに張り裂けそうになっていたから。
タムドクを想う心と、チュシンの王への忠誠との間で揺れるキハ。

夜明け前、キハは城内へともどってゆく。
絶奴を頼るようにという手紙をタムドクに残して。
必ずもどるから。王を救って、すぐにもどってくるから。
あなたとこの世を生きて、天罰を受ける覚悟だと、そう締めくくられた手紙。
しかし、城へと向かったキハは、ホゲの話を聞いて動いた長老に見つかってしまう。

そのころ、ヒョンゴはヒョンミョンを伴って城内へ急いでいた。
なんとしてもスジニを牢から助け出すために。
ヒョンゴは、朱雀の守り主はふたりいると結論づけていた。
2000年前、生まれながらにして火を操る能力を持っていた女カヌンと、
そして、ファヌンにその力を授けられた熊族の女セオと、
ふたりの末裔が生まれることは、可能性としてあり得るのだ、と。


しかし、タムドクもホゲも、17歳には見えないよ。
そればっかりが気になっちゃってさーーー、参った参った。
年相応に見えるのって、スジニだけよね。ヒョンゴも見えないし。

それはさておき、争いが表面化しちゃいました。
タムドクとキハも、お互いの想いを確かめ合いました。
そしてホゲは、キハの心がタムドクにあると知って苦しみ、
タムドクは、キハが自分をチュシンの王と思ってないと苦しんで、
スジニだけが、何も知らずに牢屋にいると、そんなかんじです。
タムドクと生きようと決心したキハも、長老に見つかっちゃうし。
一枚も二枚も上手です、この悪党は。

しかし、ホゲの捨て台詞はみっともなかったぞ。
「この陰謀は俺が仕組んだんじゃないんだから、そこんとこヨロシク」
みたいな。めっちゃかっこ悪いでー。男は黙ってナンボでしょーー。
まぁ17歳の少年なんて、いくら帝王学で育てられてても、こんなもんかねぇ。

って、17歳には見えないんじゃーーっ!


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2008/02/10

『太王四神記』(第6話)

じつは6話も、冒頭部分の録画に失敗。
どうやら黒軍とスジニはヨン家の牢に捕われ、タムドクも廟に閉じ込められるものの、
近衛兵の女性カクタンと勝負して廟を抜け出してヨン家に行った模様。
録画の最初は、すでにタムドクがヨン家で当主ガリョと話をしているところ。

黒軍の釈放を求めるタムドク。彼はガリョに、いずれ太子の座を退くと告げる。
王になるべきなのはホゲだから、譲るのが当然だと言って。

それを盗み聞いたファチョン会の会長。
そう簡単にホゲが王になっては、ヨン家に取り入る隙がないと歯がみする。
彼の狙いは、ホゲが王になるために骨を折り、ヨン家を牛耳ること。
会長はキハの力が必要だと、彼女にホゲの心を捕えよと命じる。
さっそく、ガリョの名でホゲを呼び出し、ホゲはキハと邂逅する。
そのころ、会長は朱雀の心臓を取り出してガリョに見せている。
キハとホゲが会っているそのとき、朱雀の心臓が光り出す。
それを見てガリョは、息子こそが王たるべきと確信する。

そしてその同じころ、ヨン家の牢に捕われたスジニは、黒朱雀の夢を見ていた。

帰宅したタムドクがどこで何をして、何を言ってきたかを聞いた王。
このままでは息子が自ら王の座をホゲに渡してしまうと焦る。

翌日、キハはホゲに告げる。
「次の祭祀までヨン家の吉凶を占い、天のご加護をお祈りします」
こうして、キハはホゲの近くに留まることに。

宮殿では、絶奴(チョルロ)部族を除いて貴族会議が開かれている。
黒軍である絶奴部族は、会議から閉め出されたのだ。
その会議では、前日のタムドクの行動が問題になる。
だれも太子と認めていないから、絶奴部族に取り入ったのだという口上を聞いて、
王は大神官を招き入れ、17年前のお告げの内容を公開する。

それは、タムドクこそがチュシンの王である、というもの。ホゲではなく。
これまで秘密にしてきたのは、王が自ら王と悟らなければ意味がない、
だからそれまで、そのことを隠し通せ、というのがお告げの内容だったから。
その上で大神官は、告げる。

「明日、日が中天にかかる時刻、太子タムドクの新王即位式を行う。
 高句麗の5部族は天地神堂で新しい王を迎え、天の意思を成し遂げるよう」

知らせはすぐに広まり、思惑を持って人々が動き出した。

ホゲこそがチュシンの王だと信じていたヒョンゴは、
文書を確かめるために急ぎコムル村にもどった。

孤立無援の王は絶奴部族を味方につけるようと、
部族長の娘をタムドクの王妃にしたいと告げる。

ファチョン会は会長の指示で各部族長の息子を誘拐する。
部族長たちを集めたヨンガリョは、誘拐は王の仕業だと告げる。
息子たちの命と引き換えに、タムドクの即位を認めさせるつもりなのだと。
王がそこまで焦ったのは、本物のチュシンの王が現れたから。
そう言ってヨンガリョが招き入れたのは、朱雀の心臓をまとったキハ。
朱雀の心臓がホゲの前で赤く光を放つと、部族長たちは恐れおののく。

同じ敷地にタムドクがいることは、だれひとり知らない。



それまで、自分の息子が王だとは信じてなかったヨンガリョが、
朱雀の心臓が光り輝くのを見てすっかり気持ちを変えてしまって、
それこそ、死んだ妻なみに狂信的になってしまって、
けっこう正義の人だよなー、と思ってたのに、
腹黒ジジイに変貌してしまいました。残念。
ホゲも、突然父親に煽られて焚き付けられて、ビビってる。
でもま、彼は近くにキハがいるので、そっちに気をとられてるんだが。

そのキハがタムドクを想っていることは、会長すっかりお見通し。
その上で、ホゲを誘惑しろと言い、即位式でタムドクを殺すようなことを言い、
なのにキハは何も言えないのね。幼いときに肩に埋め込まれた何かのせい?

6話では、威勢のいいスジニがほとんど出てこなくて残念。
でも、朱雀の心臓が光り輝くたびに、彼女の中の黒朱雀も呼吸を始めて、
これがのちのちのストーリーをおもしろくするんだろうなぁ、と期待です。

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『太王四神記』(第5話)

痛恨の録画失敗!
春の放送を待ちまする。

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『チーム・バチスタの栄光』(14/100 '08)

最近はとんと読まないミステリー。
一昔前くらいはむさぼるように読んでたんだけどな。

というわけで、本作も原作は未読。
読んだ人から「おもしろかった」と聞いてたので、一抹の不安を覚える。
というのは、ミステリーで原作がおもしろくて映画化されたのって、
ほとんどが大失敗でしょ、って思うのが多いから。

だがしかしーーー

これは、かなりよくまとまっていたなぁ、と思う。
コンパクトに2時間で、ちょっと笑いも散りばめつつ、
物語上の破綻もなく、ああなるほどね、と手を打つ結末。

もちろん、結論に至るのがちょっと「いきなり」感あったりとか、
この人のこの部分って、ほんとはもっと語られてるんだろうなーとか、
その程度の思いはあるけれど、許容の範囲でしょう。

阿部ちゃんのチーム名が SWAN なのは、白鳥さんだからかな。
このへんの小ネタっぷりが、なんともすきだ。

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