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2008年9月

2008/09/29

『ウォンテッド』(63/100 '08)

『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『ノーカントリー』と、
限りなく低空飛行な精神状態になる作品を続けて見たせいか、
「ありえねぇ〜」的作品を見たいという激しい衝動に駆られる。
というわけで、金曜の夜に劇場に足を運んで本作のチケを取り、
ついでに翌日公開の『アイアンマン』のチケも取ってしまった。
楽しむぞー、笑うぞー、な気満々ですわ。

ジェームズ・マカヴォイといったら真っ先に思い浮かぶのはタムナスさんなのだが、
実は『ラスト・キング・オブ・スコットランド』の印象のほうが強い。
若いけど、いい役者だなー。もちっと背が高いと役も回ってくるんだけど。
なんて思ってたら、回ってきたね、カッコいい役。
最初のダメ男くんのときと、最後の彼の差がスゴい。
最後の彼、いったいだれ? ってくらい、別人です。

映画としては限りなく B 級。ツッコミどころ満載で、穴だらけ。
でも最初っから「すごい顔ぶれの俳優で B 級映画撮ったる」という決心があり、
それを「オレ様がカッコいいと思うもの全部入れてやったぜ」的な映像で見せる。
最初にビル突っ切ってびゅーーーーーん、ってシーンから、
最後のアンジーの一発まで、終始「ありえねぇ〜〜〜!」と心の中で叫びつつ見た。
いや、おもしろかったよ。これは大画面で大音響で見るに限る。

個人的にはハンサム賞はアンジーに進呈。
彼女を魅力的だとは思っても、美人だとはあまり思わないのだが、
今回は並みいる男どもを押しのけて、いちばんハンサムでした。


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『ノーカントリー』(62/100 '08)

いやはや、ビミョーな感想を抱く映画でした。
作品賞を取るほどの映画なんだろうか、と思う。
確かにインパクトは強いし、空恐ろしい気持ちになるけれど、
でも話としては目新しくはないし、一昔前感が強い。

ハビエル・バルデムの助演男優賞受賞は喜ばしいが、
これだって、『空を飛ぶ夢』と比べたらどうだろうと思う。
これなら、あたし的には作品賞は『ジェシージェームズの暗殺』で、
助演男優賞は同作のケイシー・アフレックに1票。

いや誤解しないでほしいのだけど、レベルは高いです。
ただ、あたし自身のハードルも高かった。
だけど、底が知れない恐怖感、絶対に理解できないものへの畏怖、
そういうインパクトでいえば、『ダークナイト』のジョーカーのほうが上で、
順番的に『ダークナイト』を先に見ちゃったのがいけなかったのか。

No Country for Old Man の for Old Man を、
なんで省略しちゃったのさ、と思う。


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2008/09/26

『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(61/100 '08)

There will be blood.で語り始められる、壮大な叙事詩を見せられた気がする。
この場合の blood とは何かーーー

いまさら語ることもないほど、多くの人に語り尽くされた作品であるから、
ことばを連ねて陳腐な焼き直しレビューに陥らないためにも、
単純な感想を少しばかり書いておくことにしようと思う。

ひとつ
原油ーー黒くどろどろとしたものーーをめぐる醜悪な人間模様。
次第にその「黒くどろどろしたもの」が、血に思えてくる。

ふたつ
in plain view は「丸見えで、目につく場所で」という意味だが、
ダニエル・デイ=ルイス演じる Plainview は、その名の通りの男に思える。
彼の欲望や怒りはあけすけで、しかも尽きることがない。
一代で、自分の才覚だけで財を築いた、ステレオタイプな男の姿がそこにある。

みっつ
ポール・ダノ演じるインチキ宗教男は、根底では Plainview と同類だ。
利益のためには何でもやるし、魂を売ることも厭わない。
その彼の父親が Abel(アベル。字幕ではエイベル)なのは象徴的。

よっつ
I'm finished.
Plainview の最後のことば。どう考えたらいい?


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2008/09/22

『悲しみが乾くまで』(60/100 '08)

スザンネ・ビアの作品は、なんとなく見続けている。
胸に重苦しいしこりが残るのがわかっているのに、つい見てしまう。
悲しくなって苦しくなって辛くなるのに、なぜか見てしまう。
母国デンマークで評価を確固たるものにして、ハリウッドに進出。
『チョコレート』のハル・ベリーと、『21グラム』のベニチオ・デル・トロ。
原題は Things we lost in the fire 。

英語で話されると、こうも印象が違うのかと、まず驚いた。
ビアらしさは多少薄まってしまったかもしれない。
ハリウッド新出の最初だからか、設定が『ある愛の風景』に似ている。
名刺代わりの一作目、ということか。

ある日突然、夫を亡くした幸せな家族。
夫の生前には毛嫌いしていた麻薬漬けの夫の親友を、妻は初めて直視する。
同じ、「大切な人」を亡くした同胞としての彼を。
心の傷と人生に向き合うため、ほんの少しの「手助け」が必要なふたり。
ただ相手がそこにいるから、手を差し伸べ合うふたり。
けれどそれは、甘美な痛みとはほど遠い、身を切るような痛みを思い出させる。
けれど、伸ばした手を引き戻すほどに、心は強くない。
触れそうで触れない。入り込みそうで入り込まない。
寄りかかっているようで、寄りかかってはいない。
立ち上がるために、一瞬だけ体重を預けたような、手すりを掴んだような。
昇華までのプロセスで、それはきっと必要だったのだろうと思う。

Thing we lost in the fire --- 私たちが火事で失ったもの
焼けてしまった写真はもう戻ってはこないけれど、思い出は消えない。
亡くなった彼がそう言って笑ったのだと、食卓に集まって話す家族たち。
そう、彼は死んでしまったけれど、彼の思い出は決して消えはしないのだ。
彼からもらった愛情や友情や思いやりも、決して消えずに、心に残っている。

だから、Accept the good 善きことを受け入れて、再び生きよう。
世の中を拒絶するのではなく、受け入れて、感謝して。
見上げれば、世界は相変わらず回っている。


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2008/09/19

『イントゥ・ザ・ワイルド』(59/100 '08)

青年は荒野を目指したーーー  何故に?

あちこちの 2007年公開映画 ランキングで上位に入っていて、
ずいぶんと楽しみにしていた映画でした。
失礼ながら、監督としてのショーン・ペン、最初の評価作だし。

civilization から逃れて the wild へと足を踏み入れるクリスの、
本当の心情がどうだったのか、苦悩の深さがいかほどのものか、
想像するしかないけれど、なぜかどうしても他人事で、
最後まで彼の心は理解はできても共感はできずじまいでした。

現実から目をそらして、小説の中に逃げ込んで、
それでもあきたらずに自分を孤独の中に追い込んでいった彼。
人とのあたたかな繋がりを受け入れているようで拒絶し、
自ら断ち切っては荒野へ、荒野へと、振り向かずに行く彼。

若いとはこういうことなのだろうと思うけれど、
手の中にあるささやかなしあわせに気づこうとせず、
自分の信念だけが正しいもののように思い込み、
何もかもを振り切っていくのは、あまりにも身勝手だ。

彼を想う人を、本当に想う人を、心から想ってくれる人を、
想われていることを知っているのに気づかないふりをして。
「ぼくは進むんだ。ぼくの信じる道を進むんだ」
そうして顔を上げて行く彼は、進んだ先に何かを求めるのではなく、
「すべて背を向けて進むこと」それ自体が目的になってしまっている。
何かを探す旅では、もうないことに、彼は気づかない。
車を捨てて、紙幣を焼いて civilization を否定しながら、
物質文明の恩恵にあずかることをよしとしている矛盾に、彼は気づかない。
小説の中に現実がないことを、彼は気づかない。

気づいたときには、もう遅かったのだ。
生半可な心持ちでは太刀打ちできない the wild は、
情け容赦なく彼の命を奪い去ってしまった。

HAPPINESS ONLY REAL WHEN SHARED

最後にそう書いたかれは、気づいただろうか。
彼が捨て去ったのは civilization ではなく両親が彼に与えたすべてであったことを。
物質も、金も、名前も、教育も、そして命も。


Call its name by right name.

願わくば、誰もが彼の名を「クリス」と呼ばんことを。



蛇足ですが、字幕のいくつかに「?」を感じたのは、また別の話。

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『ラスト、コーション』(58/100 '08)

そうえいば、このタイトルもビミョーだな。
ラストとコーションの間に「、」があるだけマシか。
ラスト=最後 じゃない素地が、日本のどこにあるっていうんだか。
ラストの正解は、lust 。原題は「色 | 戒」で、こっちのほうがわかりやすい。

アン・リー監督が、『ブロークバック・マウンテン』に続いて
ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞したのが、本作。
主演はトニー・レオンとタン・ウェイで、ほかにワン・リーホン。
過激なセックス描写ばかりが取り上げられることも多い本作ですが、
そればかりに気を取られると、大事なことを見誤ってしまう。
そして、過激さに目を背けていても、やはり大事なことを見失う。
そんな作品でした。

手放しで、「すばらしい!」と賞賛を送れるほどに、理解できていない。
監督のいくつもの細かな「示唆」を、読み取れていない気がして。
たとえば・・・

麻雀シーンで執拗に嫌味を重ねる女性の存在
香港で、招かれた家の中に入ってこなかった本当の理由
7ピンを、2回も続けて捨てた目的
そして「電話番号は知ってるわよ」と冴え冴えと言う妻の胸の内
書斎でひっそりと火にくべていた文書に何が書かれているのか
その書斎を、上司がいないあいだに捜索してしまう秘書の存在
「あなたの指輪です」と、見下ろすように言ったのは、その秘書

一見、チャン・ツィイーの『パープル・バタフライ』を思い出させる。
けれど違うと、すぐにわかる。何が違うのかは、すぐにはわからない。

アイリーン・チャンの原作を、読んでみなければ、と思う。


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『ホワット・ライズ・ビニース』(57/100 '08)

2000年の映画だが、このあたりから、配給会社がタイトルを原題のカタカナ表示で誤摩化し始めたんだなー、としみじみ。
確かに訳しにくい、いろいろ含んだタイトルではあるけど。
でも日本に、このタイトルを聞いてキチンと内容を予測でき期待できる素地がどれだけある?
と疑問を呈したくなる。
最近の例で言えば、『ダークナイト』
カタカナだけ見たら、ふつうの人は「暗い夜」だと思わないか?
安易なカタカナ乱用は責任を放棄していると言われて仕方あるまい。
かといって、「なんじゃそりゃ」タイトルになっても困るわけだが・・・
『厨房で逢いましょう』とか。ふざけんな、的なやつ。
(これの原題はEden。この映画の場合、カタカナで『エデン』のほうが100倍マシ)

と、そんな話題ではないのです。

ハリソン・フォードとロバート・ゼメキスというコンビに惹かれて見た。
んだが、ハリソン、イメチェンでもしたかったのでせうか?
いまさらこんな役をやらないでもよかったんじゃないか? と思う。

技法的にヒッチコックを意識した作品なんだそうだ。
ヒッチコックの作品って昔に少し見ただけだし、
そもそも怖い映画は苦手で、基本的に見ないか、目を背けつつ見るかで、
じっくり研究しながら、という見方はしてないからなんとも言えないけど
でも、怖いだけだった。音とか、そんなので怖さ煽ってた気もする。
もっとなんていうかこう、精神的に追いつめられる感というか、
ヒッチコックのあたしのイメージってそんな感じなんだけど。



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2008/09/18

『パコと魔法の絵本』(56/100 '08)

あれはいつだったか。去年? 一昨年?
あれ? 今年の春先だ(汗 いやぁ〜、月日が経つのは早いもので・・・
ナックスのシゲちゃんが出るので見たお芝居、
『MIDSUMMER CAROL 〜ガマ王子 VS ザリガニ魔人〜』は、
泣いて笑える作品で、年齢的にもけっこうツボなセリフも多くて、
終わった直後にもいっぺん見たいと切実に思ったものです。

それが映画になると聞いて、タイトル変わるけど、
やっぱり見ないわけにはいかないっしょーーー、とばかり、
公開早々に喜び勇んで出かけてきました。

『嫌われ松子の一生』は見ていたので、いちお免疫アリでしたが、
さすがにこれはすごいーー。と、正直思った。
お芝居は舞台装置が限られているのでセリフで補うべく、
ものすごい量のセリフ攻撃ですが、映画はこれがメリットとばかりに、
そこを全部、映像と効果音とで見せてしまうのだから、贅沢。

最初のお芝居のときは室町を伊藤英明さんが、タマ子を長谷川京子さんがやったとか。
このときは作家の後藤ひろひと氏も、最近売れてる片桐仁さんも出てたらしい。
あたしが見たお芝居は、室町が笠原浩夫さんでした。あの、劇団 Studio Life の。
ほんとは内田朝陽さんだったんだけど、確か腰痛かなんかで直前降板だったなー。
ま、それはおいといて。

お芝居は、タマ子がもうツボで、室町 vs タマ子が見物だったのですが、
映画の比重は大きくパコと大貫によってるかんじでしたね。
タマ子のキャラも違ったけど、アンナちゃんらしくてよかった。
「ケンシロウ」のくだりがなかったのは残念だけど、権利関係かなー。
そのかわり(?)エヴァとか出てたな。テレ東だからか?
そっか、北斗の拳はフジテレビか。

龍門寺もツボだったのだけど、これは最初のお芝居からずーーっと山内圭哉さん。
彼のタイミングというか、間というか、これがもう絶妙です。
強面だから余計に笑っちゃうんだよなー。順平との兄弟愛がステキ。

案内役というか語り部なのが阿部サダヲ氏。芝居では春風亭昇太さんでした。
全然タイプが違うんだけど、それぞれ、欠くべからざる存在です。

お芝居を見てたので、スジも、オチも、ひととおり知っているのに、
そのときになったら思わずウルウルしちゃって、これって予想泣きじゃん、
と自分につっこんだが、周りもけっこう泣いてたなぁー。
子どもは元気一杯で、ちゃんと笑うところで大声で笑ってて Good でした。

耳の不自由な方のために日本語字幕つきの回を見たのだけど、
なんか知らんが、習慣で字幕読んじゃって、しかもセリフ言う前に読んじゃって、
見ないようにしようと思うと余計な神経使っちゃって、ダメでした。
も一回、今度は字幕のないのを見て、大笑いしたい。


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2008/09/16

The Symphonic Live at ティアラこうとう

Symphonic なんだけど Live という、なんとも贅沢な響き。
東京を拠点にする明音交響楽団の演奏会なんだけど、
指揮を啼鵬くんが、ゲストに大ちゃんが、というので、
発表になってからずーーーーっと楽しみにしていたライブでした。
あいにく前日から社員旅行だったのだけど、早退して会場へ。
ツレに席を頼んでおいて、お礼に大きめの葡萄を摘んで持ってった。

いやぁーーー、音楽って楽しい!
聞いてるほうがこれだけ楽しいのだから、演ってるほうはいかばかりか。
クラシックの曲も多いし、寝ちゃったらどうしようと心配してたのに、
ちらりとも眠くならず、瞳キラキラで見てた気がします。

ブログで「コソ練したい」と書いてた大ちゃんでしたが、
最初のばっちりスーツで決めたピアノ協奏曲『宿命』も、
緊張してる?という空気は最初だけ。途中から足がパタパタしだして、
ああ、いつもの大ちゃんだぁーと、相成りました。
本当にこの人のピアノは、音がつぶつぶしていて、
(ぱらぱらしてる、ということではなく、一音一音が大切に弾かれてる、
 というかんじです。プロでもだらだらと、音がダダ漏れの人、多いし。
 そんな人には一度、アルゲリッチのピアノを聞いてこいと言いたい)
ピアニシモがホールの最後まできちんと聞こえる。
ピアニシモは「音が小さい」のではないと教えてくれた人です。

年齢もバラバラ、キャリアもバラバラな人たちが、
音を通してひとつになれるのって、ステキ。
こういうの見ると、おうち帰って楽器を引っ張りだしたくなる。
ソロで演るのもいいけど、みんなで演るのもいいなぁー。
セッションとかうらやましいけど、腕が追いついてない(汗


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『幸せの1ページ』(55/100 '08)

こりゃ完全にダマされたパターンでした。
てっきりジョディー・フォスター主演のロマコメ系映画だと思ったら、
主役はアビゲイル・ブリスレンの子ども向け映画でした。
最初に原題 Nim's Island を見たときに気づくべきだったなー。
『幸せの1ページ』なんて、詐欺だ、詐欺。

とはいえ、おもしろかった。
あんなジョディー・フォスター初めて見た。
やっぱ演技派、なんでもできるんだな、彼女は。
アビゲイルはすきなので、これはこれでよろしいかと。

しかし言わせてもらえば、何もかもが中途半端だった。
ジョディーのキャラ設定も中途半端だし、
アビゲイルの冒険鐔とアビ父のサバイバルも中途半端。
そもそもが児童書でつっこんだ記述がないんだろうと想像はつくが、
ならばそこをつっこんで描くのが映画ではなかろうか。
『マゴリアムおじさん〜』のようなメッセージもないときては、
「あーー、おもしろかった」で劇場を出たら忘れてしまいそうだ。

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2008/09/10

彩雲国物語を読んでみる

夏休みの最後のほうに図書館でふと手に取ってハマり込み、
久々に夢中になって読み続け、1か月しないで全16冊を読破しちまった。
こんな自分にちょっと呆れる。だって「少女小説」だし(笑

もう少女って年じゃ全然ないんだけど、なんかハマった。
いい男さんは出てくるけど、まぁ言っても小説だしね。
ヒロインの青さと甘っちょろさを客観的にダメ出しできる年齢だったりするんだが、
だからモロに感情移入しちゃってもうたぁいへん、みたいにはならないんだけど、
どうしてこんなに楽しく読んじゃったんでしょうか。不思議だ。

そして続きが気になるのだー。
気になりついでに某国営放送で再放送中のアニメ版を見てみたが、
これはなんかもう別の世界になってしまってて、ちょっと違った。
全部目に見えてしまうと萎えるんだなぁー。
頭の中で勝手に理想像を作り上げてるほうがおもしろいのだ。

彩雲国物語  黎明に琥珀はきらめく (角川ビーンズ文庫 46-16)

ところで、表紙は全巻こんなかんじだもんで、
さすがにこの年で電車とかバスとかで堂々とは読めなかったりして、
久々に文庫本用のブックカバーが大活躍した日々でした。

はやく続きが出ないかなぁ〜〜〜。

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ミスト(56/100 '08)

ホントだったら絶対見ない映画。
内容も知らず、『ハンティング・パーティ』と同時上映だし、
もったいないから見とくかなーー、なんて軽いノリだったのだが、
あっという間に後悔した。怖いの苦手。でかいの苦手。

あ、やばい!

そう思ったときにはもう、出てこられなかった。
だって気になるじゃない。解決しないままじゃ、
気になって気になって夜眠れなかったら困るじゃない。
これはもう最後まで見て、「あー、よかった」って安心して、
心置きなく寝床に潜り込むに限るんだよ。
そう思って見続けたのに・・・

なんだ、あのラスト!
ちっとも解決してないじゃん!
ってか逆に、絶望のどん底じゃん!
悲しすぎて恐ろしすぎて残酷すぎて、疲れた。
なんだか途方もなく疲れた。
ひどいなぁ、人生って。それでも人生は続くんだもんなぁ。

でも一番怖かったのは人間様でした。
人間って怖いよー。エイリアンよりずっと怖いよー。
理解できないけど、理解できちゃうから怖いよー。
自分がそうならないって保証ができないから怖いんだ。
宗教は、人を助けるけど、人を助けないこともあるんだよ。
宗教は、目を開かせてくれるけど、盲目にもするんだよ。
怖いよー、怖いよー、怖いよー。
だって、手のひらに残ったのは〈絶望〉だけなんだもん。

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2008/09/08

ハンティング・パーティ(55/100 '08)

久々の、ギアの社会派ドラマ。

と思いきや、コメディ色もけっこう強かった。
しかし、半分は実話で、フォックスはこないだ拘束されたカラジッチだし、
アメリカや NATO や CIA の「本当」を思うと、素直に笑えないのだ。
こういう映画をさらっと作ってしまえるアメリカ人と、
そんな映画をさらっと上映してしまえるアメリカと、本当に不思議だ。
「世界の警察」とか言っておきながらのこの度量。どこからくるんだ、ほんとに。

シカゴに続いて、ギアのおしりを見てしまった。
油の抜けてきたギアは、じつにあたし好みになっていく。
次の『最後の初恋』も楽しみ楽しみ。

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2008/09/06

Jake Shimabukuro "Music Is Good Medicine" JAPAN TOUR 2008

続けざまにライブがあったこの1週間、トリはジェイクでした。
最新アルバム『 YEAH. 』は、柏木広樹さん参加で、涙もんでしたが、
そのアルバムを生で聴く機会(かっしーは、もちろん出ませんが)とあって、
朝からやけにウキウキだったりする。

お久しぶりのジェイクは、本日は「さみしそうだから」と、
メガネをかけてのライブとあいなりました。久々のメガネ・ジェイク。
だれが教えたんだか、不思議な日本語を楽しそうにしゃべって、
ニコニコ笑顔を振りまいて、超絶技巧な演奏を見せてくれました。
外はもう秋風なのに、ジェイクの周りは常夏ハワイなのだー。

全部全部楽しかったんだけど、きゅぅぅぅぅぅぅん、ってきちゃったのは、
everything is better with you でした。歌詞つきで、ジェイミンさんとのコラボ。
とろんとろんに sweet で、だれかといることのしあわせって、
きっとこんなに simple なことなんだな、ジェイクが言うみたいに。
なんて思ったのでした。

それからこっち、頭の中でずーーーっと、うろ覚えの歌詞がぐるぐるしてます。

♪You're the sugar in my coffee
 You're the milk in my tea
 You're the sunshine You're the moonlight
 Now you know my secret
 It's so simple
 Everything is better with you

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2008/09/05

NAOTO "REVERSIBLE" 2008 〜 Concert side 〜

さすがに立ちっぱなしはツライ年齢になったので Live side はパスし、
オーチャードという残響バリバリのホールでゆったりの Concert side に参加。
久々のホールでのなおちゃんでしたが、Concert と銘打つだけあり、
クラシックの曲で始まり、アンコールにもクラシックを持ってきて、
ピアノに清塚信也さん、チェロも北口大輔さんと、固めてます。

最初の最初に真っ白のお衣装のなおちゃんと黒で決めた清塚さんが出てらして、
まるで「白王子 VS 黒王子」という体裁で、思わず笑ってしまう。
その後、啼鵬くんやすごくすごい哲郎くん、竹下さんが出てくると、
ポップスなのに重厚感漂う、すてきな音楽会となりました。

そういえばこの日は哲郎くんのお誕生日だったそうで、
彼ももう30だと聞いたら、自分も年取るわけだなーー、と感慨深く。

アンコールで Sanctuary をやったとき。
後半、ライトが一斉に青になった瞬間、ステージ後ろの壁を見て、なぜか思った。

「あ、天国の扉だ・・・」

って。
そこに、まっしろな天使が舞い降りて、ヴァイオリン抱えて立ってる。
なんでそう思ったのか、すごぉく不思議なんだけど、思ったのだ。仕方あるまい。

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2008/09/04

ファン・ジニ(54/100 '08)

ドラマ版は録画し続けているにもかかわらず、ひとつも見てない。
見てないうちに、試写で映画版を見ることになってしまいました。

というわけで、ドラマ版との比較はまったくできないのだけれど、
イメージとしては妖艶で、色でいえば「赤」なかんじのドラマですが、
映画版は、「黒」でした。もしくは「緑」。

ストーリー的には多少のこじつけ感がないではないけれど、
視点を妓生としての彼女に据えず、ひとりの女の生き方に据えている。
あまりに陳腐な言い方をすれば、「悲しい女の一生」の物語。
天国から地獄に堕ち、自分を地獄に落とした男を愛し続け、
別れてしまった道をただひたすらに歩みながら、
決して後ろを振り返らないファン・ジニ。
けれど、後ろ髪はずっと引かれている。それを振り切って、歩く。
妖婉さではなく、凛とした美しさが、
見かけの美しさ以上に、彼女を際立たせたのだろうと思う。

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2008/09/03

ハンコック(53/100 '08)

ダークなヒーローのアクションムービーだと思っていたら、
ダークなヒーローのアクションコメディムービーだった。
いやいや、こんなに笑う映画だとは思いもよらず。

ちょっと困ったように眉間にしわ寄せながら、
「ぐ、ぐ、ぐっじょーぶ」って言うウィル・スミスが妙にかわいい。
その彼と、丁々発止の掛け合いを見せるシャーリーズ・セロンは相変わらず美しい。
あんな涙目でじぃーーーーーっと見つめられたら、
そりゃ「ぼくのエンジェル」とか言いたくもなるでしょうよ。
しかしウィル・スミス、『幸せのちから』と同一人物だとは思えん。

いろいろしゃべるとネタバレになってしまうので、このへんで。

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柏木広樹コンサートツアー2008 "pictures"

今回のアルバムは、ココロの健康状態が良くなかったせいもあって、
発売と同時に手に入れることもせず、手に入れてもしばらく聴けず。
正直に言うと、iPod に放り込んではみたものの、
ライブ当日まで、一度も通して聴かずにいたわけで。
柏木さん、ごめんなさい。。。

ところがライブに行ったあと、ヘビロテ状態です。
耳が覚えてる。ふと気づくと、心の中で歌ってる。
で、ニコニコしながら歩いてたりする。へんなの、あたし。

音楽って、人をつなげるなぁと実感したライブでした。
こんなに楽しそうに演奏する人を、あたしは知らない。
楽しそうな彼が、みんなを楽しくすることに、
この人は気づいてるんだろうかと、聴きながら思った。
彼が楽しく音楽を続けている限り、大丈夫だって思った。
何が? とは聞かないで。ただ、思っただけ。大丈夫だ、って。

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2008/09/02

ギフト(52/100 '08)

キアヌが出てるっていうから見たようなもんなんだが、
出てきてみたら女ったらしのDV男だった。なんかがっかり。
これでも一応、『マトリックス』のあとなんだから、
もう少し役を選んでもいいのになー、と思うわけです。

それにしても無駄に豪華なキャストだったなー。
ギフトを有する薄幸のヒロインはケイト・ブランシェットだったし、
キアヌに暴力ふるわれまくっても依存してて離れられない妻にヒラリー・スワンク、
ちゃらんぽらん女で惜しげもなく裸体を披露してるケイティー・ホームズ。
まだ無名時代だったとはいえ、彼女ももう少し役を選べよ、と思う。

『アダルト・チルドレン』のように、大人になりきれない大人というか、
どこか欠陥をもってる大人ばかりが出てきて、
それに対する視線が温かいので救われる気がする。

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2008/09/01

新しい椅子

先週の火曜日、とーさんの新しい椅子が届きました。
はい、こちら。

Zenbo















これはジャンベといいまして、アフリカの打楽器です。
大きさはさまざまだけど、これは、そうだな、40センチくらい?

買ったわけではなく、実はその前の日曜日、
『ドラムストラック』というミュージカル(?)を見に行ったのでした。
客席の全席にジャンベがあって、演者にあわせて客も叩くの。
最初はおっかなびっくりだったけど、いつのまにかバコボコ叩いてる自分。
周りもそんなかんじ。すっごく楽しくて、ストレス解消になりました。

あらかじめ申し込んでいた人には、公演終了後にジャンベをプレゼント。
というわけで、火曜日に届いたのでした。マイ・ジャンベ。
しかし、こんなふうに届いたのを見たときは、ちょっとビビった。

なんと大胆な!

Jambe
















というわけで、さっそくとーさんに座っていただきました。

Osuwari















どうです? お気に召しましたか、とーさん。
これで、カホン、コーヒー豆の樽、ジャンベと、椅子も3つです。
そろそろカホンを返していただいてもよろしいですか?



どうやら、その気はさらさらないようです。

Orenda









大人げないなぁ・・・

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20世紀少年(51/100 '08)

『さよなら、〜』を見終えた足で、公開初日の席を確保しに行く。

原作は楽しく読んではいるけど、何度も読み返したというマニアではなく、
ふつうにふつうに楽しんだくらいです。思い入れも、まぁ、別にないかな。

だからかどうか、楽しかった。ふつうに。
ちょっと長いかなーという気もしたし、盛り上がりポイントが
何度も来てるうちに拍子抜けしないでもなかったけど、
でも全体としては、とりあえず、次も見ようかな、と思った。

ただねーーー、

映画というよりドラマの何話かを続けて見せられたような気がする。
それはきっと、先述の「盛り上がりポイントが何度か来た」というところで、
マンガのエピソードをそっくりそのまま繋げた感は、否めない。
人によっては、これが致命傷なんだと言い兼ねない可能性も、ある。
ただこれが、「原作に忠実に」なんだと言われると、そうだね、とも思う。

唐沢寿明も常磐貴子も、すごくいい。
とりわけ豊川悦司がひじょーーーにいい。
次回は彼がメインになるだろうと思うと、すごく楽しみ。
だもんで、余計「おしい」感があるんだろうなぁー。
しかし、最後に出てきた平愛梨は、『笑う大天使』のときと大違いで、
まるで同一人物に見えなくて、驚いた。

あっと。
エンドロールは最後まで。次回の映像がちらっと見られます。

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さよなら。いつかわかること(50/100 '08)

ギンレイの会員になってからこっち、劇場公開作品を吟味する際、
「これはギンレイでかかりそうだなー」という視点が入るようになった。
その視点からすると、本作は大本命であり、しかも的中でした。
こういうときって、なんだか「勝った!」って気がするのだ。無意味だけど。
同時上映の『ダージリン急行』は悩んだ末に見たのだけど、
これは当然「負けた」という気になるんだ。だから勝負じゃないって。
ついでにいうと、2本とも見てないと「ざまあみろ!」で、
2本とも見ちゃってると大敗北な気分なんだなー。どうでもいい話ね。

さて、泣くんじゃないかって、大きめタオルを用意してたんだけど、
これが意外とさらさらと乗り切ってしまったというかんじで。
イラクに派遣された妻の訃報を娘ふたりに話すことが出来ない父が、
ふたりをつれてフロリダまで車を走らせていく物語。
突然の休暇を楽しむ妹と、どこか引っかかりを感じている姉。
何度も試みて、いまだに言えない父の苦悩。
控え目の演出と穏やかな音楽で、時が少しずつ流れていく。
13歳になるまではダメと言っていたピアスをねだられて、
それを許すときのジョンキューの表情が、やけに切なかった。
Girls と呼びかけるジョンキューの声が、やけに優しかった。

原題は Grace Is Gone 。Grace は少女たちの母親の名前であり、
「恩寵、神の愛」という意味でもある。それが消えてしまった世界。
何もかもが色あせて、何もかもが意味を失って見える世界。
昨日までが嘘のように。

でも、悲しみは分かち合える。喜びが分かち合えるように。
喜びが、三人なら三倍になるように、悲しみも、三分の一になる。
だから、再び立ち上がって、ゆっくりではあっても確実に、歩いていける。

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ダークナイト(49/100 '08)

バットマンのシリーズはひとつも見たことがないんだけれど、
ヒース・レジャー追悼のために見に行かねば、と思ってたわけで。
でも結果的には、ヒースかどうかなんてわからず。白塗りすぎー。

いや、それは冗談なんだけど。
冗談だと笑えないのは、この役が彼を追いつめた気がすること。
イウンジュが自殺する前にやったのが『スカーレット・レター』だったのも、
精神的に不安定な時期にやるべき役じゃないよなぁと思ったけれど、
今回のジョーカー役も、彼の命を縮めさせた気がするのは、あたしだけ?

それほどまでに、ジョーカーは怖かった。精神的に、怖い。
こんな狂気と、まともな人間はどう対峙すればいいんだ、と。
常識や論理や整合性やら、なんにもないの。
思いつき、行き当たりばったり、出たとこ勝負、
そう見せておきながら実はかなり徹底的に計画してるという。
並外れて知能の高い人間が狂気に走ると、ふつうの人間の手に負えない。
だれが止めるんだ、コイツを。だれが救ってくれるんだ、自分を。

そこで登場するのが光の騎士、アーロン・エッカート演じるハービー。
ところが彼も、喪失からくる憎しみに取りつかれちゃって、
ナイトの座をあっさり降板しちゃうんだねー。
だもんで、ダークナイトの登場と相成るわけです。

しかし、カタカナでダークナイトなんて書かれてると、
つい Dark Night なんだと思ってしまうのは短絡的か?
正しくは K つきのナイトなんだが、それは見ないとわからん。
てっきりジョーカーの登場以降の世界を、
月も星も照らさない真っ暗闇の世界に例えてるんだと思ってました。

個人的にはふつうの人を演じるゲイリー・オールドマンが不思議だった。

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カンフー・パンダ(48/100 '08)

いざ見に行こうと思って調べたら、けっこう吹き替えばっかりで、
オリジナルを字幕で見せてくれるところって少なかったねー。
ジャック・ブラック、アンジェリーナ・ジョリー、ジャッキー・チェン、
ルーシー・リューに、ダスティン・ホフマン。超豪華!
せっかくだからオリジナルを見たいじゃないですかい。

というわけで、有楽町へと赴く。

いやぁ、いいね、これ。おもしろかった。
お話は単純で、ひねりもなんにもないんだけど、
だから素直にわくわくしながら見ることができるっていうか。
安心感があるのは、『崖の上のポニョ』と同じ。
こういう「勧善懲悪」の「終わりよければすべてよし」的ドラマは、
『水戸黄門』じゃないけど日本人は好きよねー、と思っていたが、
世界中で大ヒットということは、世界のみなさんが好きなのか?

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落下の王国(47/100 '08)

ちょうどオリンピックが始まる直前に、シネトレさんのご招待で見に行く。
なんで「ちょうどオリンピックが始まる前に」がキーワードなのかというと、
本作のお衣装も、オリンピック開会式のお衣装も、どちらも石岡瑛子さんなので。

監督は『セル』のターセム。とはいえ、『セル』は未見なのだー。
映像美に定評のある方らしく、こだわり具合はすごいなーと素直に感動。
いちいち美しくて、映画館よりハイビジョンの大画面テレビで見てみたい。
それこそ『The 世界遺産』とか見ているようなかんじで、
ほんのワンカットの万里の長城とかピラミッドとか、
見たことある風景のはずなのに、どこか未知の星の世界の物語のような、
不思議な感覚を覚えさせる映像が、最初から最後まで続く、と。
この「不思議感覚」を煽るのが、石岡さんのお衣装なのである。
ウエディングドレスとか、ふつうにステキ。
とはいえ、ふつうの人は着こなせません、ぜったいに。

が、映像にこだわり抜いたのが理由というわけじゃないんだろうけど、
なんとなく物語がパンチに欠けるという印象が拭いきれない。
たどたどしい英語を話すアレクサンドリアが妙にかわいらしくて、救われてる。
脚本は、だれかほかの人に任せっきりにしたほうがよかった気もするなー。

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