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2009年11月

2009/11/27

亀、走る(68/100 '09)

東京フィルメックスの関連(?)企画、コリアン・シネマウィークでは、10本の韓国映画が上映される。もっとも見たかったのはチャンジン監督の新作だったのだが、
チャンドンゴン人気健在か! ぴあの先行予約で落選した。
ほかに2本を予約したが、そちらは無事に当選。そのうち1本が本作。

ドラマ『復活』でお見かけしてから密かにファンを続けていたキムユンソクだが、
じつはこんなふうに密かに彼のファンを自認する女子が多いことを、
映画『チェイサー』で彼の名が日本でもあがるようになって知った。
痛そうだと思いながら、ちゃんと『チェイサー』も見に行った。(ちゃんと痛かった)

別にいい男というわけじゃないのだが(腹も出てるし)、けっこう好きな顔なのだ。
しかしなにより、真摯な俳優、というかんじが、好きな本当の理由だと思う。
基礎をきちんと学んだ、演技に対して真剣な態度の俳優というか、そんなかんじ。
日本で言うなれば、香川照之的なポジションだと、勝手に思っている。
韓国では、たとえばソンガンホがそんな俳優のひとりだったはずだが、
最近のソンガンホは、なんだかちょっと好きになれないので、
そのポジションを、いまはキムユンソクが埋めているというかんじだ。
同じ釜の飯を食っていて、ひとり先に売れたソンガンホには皮肉な話。

前置きが長くなった。

そんなキムユンソクが、田舎のうだつの上がらない刑事ピルスンを演じている。
賭けの闘牛で作ったのか知らないが、借金まみれで年上のかみさんに頭が上がらない。
長女はそんな両親を見て育ったせいか妙にませて達観しているが、父親の味方でもある。
ピルスンはある日、ようやく当てた賭け闘牛で手に入れたなけなしの金を奪われる。
めっぽう強いその若者の顔を見て、ピルスン驚く。なんと指名手配中のソンギテだ。
しかし、こんな田舎町に世間を騒がせるソンギテが潜伏しているはずがないと、仲間の刑事はだれひとり相手にしてくれない。
仕方なく町のチンピラを引き連れてソンギテの潜む家を襲うが、あっけなく返り討ち。
右手の小指を切断され「次は殺す」と脅されたばかりか、免職の憂き目に。
男としてのプライドを傷つけられたピルスンは、なんとか警察の目をかいくぐり、ソンギテに一対一の勝負を挑む。

という、まぁ荒唐無稽なアクション&コメディーという作品だったが、
長い割にはそれほどダレることもなく、おもしろく最後まで見ることができた。愛か?

キムユンソクは、こういうちょっと落ちこぼれつつある男を演じるとうまい。
『チェイサー』でも、元刑事のデリヘル社長という訳の分からん男だったし、
今回も、刑事のくせにギャンブル好きで、借金抱えて妻に靴下裏返す内職をさせ、
そんな妻がためたナケナシの300万ウォンを賭けにつぎ込む救いようのない男だ。
ちょっと心配なのは、刑事とか探偵だとかのイメージがついちゃうことか。
次はもう少しふつうの役とか、やってみたりしないものかと期待。
そういえば『楽しき人生』を借りっ放しになっていた。今夜あたり観ようかな。

ピルスンのおっかない奥さんを演じていたのは、『チャングムの誓い』のチェ尚宮だ。
ふつうの洋服を着て、ふつうにしゃべっていたので、すぐには気づかなかった。
現代劇でもふつうにハマるなー、と思いながら観る。
破けたパンツをはいていても、なんだか可愛らしく見えていい。

血も涙も、もちろん情けもないソンギテを演じているのはチョンギョンホ。
あの、『ごめん、愛してる』のマザコン・ユンだ。えらい違い。
女の子みたいな顔をしているのに無敵の武道家という設定で、ギャップが怖い。
ちっとも笑ったりしないのが、なんだかもったいない。笑えばかわいいのに。

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2009/11/26

息もできない(67/100 '09)

こちらも東京フィルメックスでの上映。
『フローズン・リバー』が母の物語ならば、『息もできない』は家族の、とりわけ父親をめぐる家族の物語、という趣き。

チンピラのサンフンは、世界中が自分の敵だと信じている男。
父親はかつて、自らの暴力で妻と娘を死に追いやっていた。
サンフンは15年の刑期を終えて出所してきた父を、いまだ許せない。
サンフンの、半分だけ血のつながった姉もまた、暴力の犠牲者だ。
夫の暴力に耐えかねて離婚した彼女は、息子を抱えてひとり生きている。
疎ましく思いながらも、サンフンは姉と甥の世話を焼かずにはいられない。

ある日、サンフンは勇ましくも自分に食って掛かる女子高生ヨニに出会う。
ヨニもまた、精神を病んでしまった父親と素行の良くない弟を抱え、息の詰まるような生活を送っている。
どこか、自分と同じ匂いを感じたふたり。まるでそこに分身を見たかのように、急速にヨニに近づいていくサンフン。
境遇が似ていながら、真っすぐに生きようと懸命なヨニを見ているうち、サンフンの心は少しずつ解けていく。

まだ間に合うかもしれない。
まだ、真っ当に生きるチャンスが残っているかもしれない。

足を洗う決意を決めたサンフンだが、絡めとられた運命は、容易にはほどけない。

結局、サンフンはヨニの弟に殴打されて命を落としてしまう。
それを知っているのは、ただ、観客である私たちだけ。

サンフン亡き後、ヨニはサンフンの姉と息子、サンフンの親友との付き合いを続け、やはり真っすぐに生きようと懸命だ。
それなのに、彼女は気づいてしまう。
弟がチンピラ仲間と場所代を払わない屋台を襲撃しているのを見て、
かつて母の屋台を襲撃していた男たちの中にサンフンがいたことを。
男たちに頭を殴られて連れ去られた母。いまは亡き母。
彼らの運命を絡めとった歯車は、個人の力ではどうにもならない、いわば社会の負の連鎖。
サンフンひとりが抵抗しようとしても、どうにも立ち向かえる相手ではない。

登場人物たちは互いに、相手の境遇をすべて熟知しているわけではない。
因果が巡り巡っているのを余すことなく見ているのは、スクリーンのこちら側の私たちだけ。
私たちだけが、サンフンの父の因果が娘に、息子に繋がっているのを見て、
私たちだけが、サンフンの因果がヨニの弟に繋がっているのを見る。
ヨニの弟がいつか、サンフンがヨニと出会ったようにだれかに出会い、
その弟に殺められるのではないかという、漠然とした不安を抱くのだ。

それでもヨニは、真っすぐに生きることを止めないだろう。
なぜなら、父と弟を憎悪し嫌悪するその思いは、愛情と表裏一体だからだ。
サンフンが憎悪し、嫌悪しながら同時に父や姉や甥を愛していたように、
ヨニもまた、父と弟を捨てられないからだ。
そこに、希望がある。

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フローズン・リバー(66/100 '09)

ニューヨークとカナダの国境であるセント・ローレンス川の両岸には、モホーク族の居留地がある。
冬になると凍りつくセント・ローレンス川は「道」となり、両岸をつなぐ。
アメリカ、カナダ両国の警察の手が及ばないこの川の上を、車は行く。
トランクに、不法入国者を詰め込んで・・・

ギャンブルから足を洗えない夫から家族を守ろうと必死に生きるレイ。
夫亡きあと、病院から出産直後の息子を夫の母に奪われ、遠くから見守るしかないモホーク族のライラ。
まとまったお金さえあれば、なんとか生活を立て直せるふたり。
人種も生きてきた背景もまったく異なるふたりは互いに嫌悪していたが、ただ一点、子を思う「母」という接点で繋がった。
そうして、カナダ側から不法入国者をアメリカに運ぶ犯罪へと手を染めていく。

不幸の連鎖に絡めとられて抜け出せずにもがいている「母親」という人種の弱さと、そしてその強さを描いた作品。
実際にこういった犯罪が行なわれていたという事実を元に、新人監督コートニー・ハントが着想を得てシナリオを書いたという。
レイを演じたメリッサ・レオはアカデミー主演女優賞にノミネートされ、
グランプリを取ったサンダンス映画祭では、あのタランティーノに「今年観た中で最高にエキサイティングで息をのむほどすばらしい」と言わしめた。

久々に、見応えのある良い映画を見たなあと、素直に思える作品だった。

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2009/11/25

カールじいさんの空飛ぶ家(65/100 '09)

このところ3D映画がけっこう上映されてますが、見たことなかった。
決してお値段がお高いからではなく、吹き替えなのがイヤで。
今回は、ディズニーさんの試写室で、3D&字幕の試写でした。
初体験の人は少なかったのか、感動のざわめきはなく、
ひとりで「おおおおおおおおっっっっっっ!」と、ちょっと恥ずかしかった。
ちゃんと飛び出して見えるんだよー。すごいねー。と、ツレに無言で訴える。
これが劇場の大画面だったら、何か飛んできたら思わずよける、絶対!

というわけで、カールじいさんの空飛ぶ家でした。
いっしょに行ったツレが「飛び出すカールおじさん」と言っていた。ちょっと違う。

さすがピクサー、さすがディズニー。決して裏切らない!
宮崎駿さんが言っているように、最初の回想シーンですでに涙を誘われ、
王道のテーマを、最新の技術を使って見せてくれる。
随所に散りばめられた笑いとパロディーらしきものと、
じわじわっと心にしみいる優しさや勇気とが、日常をすっかり忘れさせてくれる。
バッジのついたベルトを襷がけしたおじいさんは、ブルース・ウィリスに見えたよ。すごく格好よくって。

いままで避けてた3Dだけど、今度からは見ようと思った。
プラス300円は決して高くない。
願わくば、3D&字幕の上映があればよいのだけれど・・・

ところで本作の原題は、ただ1単語、Up なのだ。なんだかずいぶん潔い。

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2009/11/24

ゼロの焦点(64/100 '09)

松本清張生誕百年記念作品、豪華女優陣共演
などといううたい文句についフラフラと、劇場へ。

結末を知っているミステリーを見るというのは、実はしんどい。
それでもお金を払って見に行くからには、謎解きじゃない部分に、大きな期待を持って見に行くわけだ。

という視点で本作を見てみると、可哀想だけれど、広末涼子は完全に喰われてしまった。
中谷美紀と木村多江には「日本アカデミー賞主演女優賞受賞」の冠があるが、
広末涼子にはないということが、文字通り現れた結果だったと言わざるを得ない。
とりわけ中谷美紀は「鬼気迫る」、ということばがふさわしい。
凛としていながら、内側から少しずつ崩壊していく様は、見ていて切ない。
木村多江は、まともな学校教育を受けていない女性を演じたわけだが、
ことばは悪いが、単なる馬鹿になっていない。(そう演じる演者は多い)
人生において選択肢の少なかった薄幸の女性の悲しさが、
彼女というフィルターを通すと愛おしさに浄化されてしまう。
出番は少なかったが、その少ない露出にもかかわらず、
心の有り様をすっかり表現してみせた鹿賀丈史も素晴らしかった。

もうひとつ、気になったのは、禎子が再び金沢に戻る車中。
それまでひとつひとつ映像を積み重ねてきたというのに、なぜここで禎子に語らせる、と。
『レイクサイド・マーダーケース』と同じやり方で、意気消沈。
もう20分くらい長くても、丁寧に見せてほしかった。

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2009/11/20

キッチン〜3人のレシピ(63/100 '09)

チュジフンが例の騒動の渦中になったときに上映が流れ、
このまま無期延期かと危ぶんでいたが、無事に上映と相成った。
個人的にキムテウが好きなので、上映できて本当に良かった。
タイミング的に『アンティーク』の上映が始まったばかりのときで、
そのときに「どちらかといえば『キッチン』が見たかった」と書いたが、
その個人的な好みの問題プラス若干じらされたこともあり、
自分でも思ってみなかったが、期待が高まっていたらしい。

【あらすじ】
幼なじみのサンイン一筋で、彼と結婚したモレ。
天使のような天然キャラの彼女が美術館で出会ったのは、
サンインが料理の師匠にとパリから呼び寄せたドゥレ。
美術館で、引き寄せられるようにキスをしてしまった相手がドゥレだったことは、サンインには秘密。
けれど不思議。モレのココロは意志に反してドゥレに向かってしまう。
そしてそれは、とうとうサンインの知ることに・・・


あまりの期待の高さ故、少々残念な結果となってしまった。
フワフワとしたキャラ設定と映像はとても心地よかったのだけど、
お話はうまく収束していかなかったように思った。
このまま、また同じことをくり返しちゃうんじゃないかと、そう思わせる展開だった。
ときに、そういう展開が良い効果を生むこともあるが(『昼間から呑む』とか)
この映画は、それじゃいけないんじゃないかと思う。


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THIS IS IT(62/100 '09)

友人の強烈なススメで見ることに。
マイケルは、まったくコアなファンではなく、
最初から最後まで歌える楽曲もものすごく少ない。
そんな私ですら、キョーレツな刺激を受ける映像でした。

知らないはずだったのに、なぜか耳が覚えているメロディー。
世界は、ほんとうに偉大なカリスマを失ってしまったと実感。
ステージを作り上げていくのはとても大変なこと。
それが、彼のほんの少しのことばと、ハミングとで、
スタッフの音やダンスが変わっていくのがスゴい。
彼に対するリスペクトがそうさせるのか。

Beat it でマイケルがコールしたときなんか、
思わず映画館にいることを忘れて、レスポンスしそうになった。

ああ、これは映画館で見るものじゃない。
Zepp とかブリッツとかで、スタンディングで見たい。
みんなで歌って、レスポンスして、体を揺らしたい。

マイケルのライブになんて行ったことないのに、そう思った。

気持ちはわかるけど、終わり方がやや冗長だったので、星は4つ。

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2009/11/19

ウエディング宣言(61/100 '09)

日本では DVD スルーとなった作品。
とりわけジェニファー・ロペスが好きというわけではないが、
ジェーン・フォンダが怪演していると聞いて、ならばと見てみる。
2005年のティーン・チョイス・アワードで5部門ノミネートというが、
ティーンの好きそうな映画でありました。単純に、楽しい。
ま、ジェニロペの PV っぽいのは否めない。

日本ではあまり知られていないようだが、相手役のマイケル・ヴァルタンは、
アメリカではドラマ『エイリアス』で当時は人気だったとか。
『グレイズ・アナトミー』のパトリック・デンプシーみたいなものか?

ちょっと笑ったのは、このマイケルくんが『エイリアス』での共演で付き合い、
婚約寸前までいったジェニファー・ガーナーが、彼との破局後、
あまり時間を置かずしてベン・アフレックと結婚、妊娠したってこと。
そのころのベン・アフレックはもちろん、
1年以上の婚約期間の末にジェニファー・ロペスと破局した直後。

人生いろいろ、ですわ。

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2009/11/16

最後の贈り物(60/100 '09)

だいたいにおいて、この手の映画には弱いのだ。
タイトルと冒頭の状況設定で、結末は読める。
その読めた結末に向かって一直線に進んでいくストーリー。
わかっているのだ。わかっているのに、どうしてこうも泣ける?
と自問自答したくなるほど、よく泣ける。今回も、よく泣けた。

いわゆる「子どもと動物」というほどには、子どもは小さくない。
この場合の子どもは、おそらく5歳くらいまでのことを言うのだろう。
本作では10歳の少女が出てくる。ちょっと大きい。
その意味では、泣かせポイントから少々ずれているのだが、
なまじっか状況を理解できるほどの年齢であるが故に、
幼いながら周りを気遣う気持ちに泣かされちゃったりするのだ。

タイトルは마지막 선물で、文字通り「最後の贈り物」。
そこに、「귀휴」という副題がついていた。調べると、「帰休」。
無期懲役で服役するテジュの「帰休」ということらしい。

「最後の贈り物」は、じつは3つある。
大きなひとつは、先述のように冒頭でお見通しなのだが、
ほかのふたつのうち、最初の「贈り物」はとても無慈悲だ。
そして、ふたつめの「贈り物」は、悲しくて、温かい。
このふたつめの「贈り物」が贈られた瞬間は、まぁ滝のように泣きましたとさ。

Okurimono_sub1

泣くという行為は、ある種のリセット機能や癒し機能を持つと思う。
だから人はときどき泣いて、そこでココロの治療をすべきだと思うのだ。
しかし、プライベートの出来事で泣くのは非常に疲れる。
ダメージが大きすぎて、しばらく立ち直れないことだってある。
リセットとか癒しとか言っている場合じゃないことのほうが多い。

であるからして、こういう映画を見て大泣きするのがよいのだ。
映画館は暗いから人目もはばからずに大泣きできるだろう。
エンドロールでなんとか涙と鼻水を引っ込められたら万事OKだ。
劇場を出るころにはすっかりリセットできて、ダメージも残らず、
また厳しい日常に戻っていけるというものだ。

泣きたい方、おススメです。

ところでこの映画はブロガー限定試写会にご招待いただいて観ました。
せっかくなので、写真素材を利用させてもらいました。
本作は、もうすぐ始まる韓流シネマフェスティバルで上映とのこと。
詳しくは、こんなかんじ。

Hanfes2009_poster

http://www.cinemart.co.jp/hanfes2009/
韓流シネマフェスティバル 2009 〜約束〜
2009年11月21日 〜 東京 シネマート六本木
2009年12月19日 〜 大阪 シネマート心斎橋

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『悪人』

何かのニュースで妻夫木聡主演映画がクランクインしたとか、
それとも配役として妻夫木聡が決定したというニュースだったか、
とにかく妻夫木聡初の悪人役である、というくだりがあって、
それは本人が原作の大ファンで自ら名乗りを上げたとか、
そのために金髪に染めただとかと書いてあったので、
それならその原作とやらを読んでみようと図書館で借り出す。
その過程で、その人が例のヨンハが出た月9『東京湾景』の著者だと知り、
ついでと言っては申し訳ないのだが、いっしょに借り出してみた。

『悪人』 (吉田修一・著)

が、それ。
かなりの厚さがある本なのだけど、一気に読み切ってしまった。
切なく、やるせなくなるお話だった。
だれが被害者で、だれが加害者なのか、
だれが本当の悪で、だれが真実の善なのか、
もし私がテレビの前でワイドショーを見ている側になったなら、
表面上に現れることを鵜呑みにしてしまうだろう。
いや、いままで、そうして鵜呑みにしてきたのだろうと思わされる。
事実は、必ずしも真実を語っているとは限らないのだ。

原作がある映画を見るとき、原作との関わり方は3通りある。

1 映画を見たあとに原作を読む
2 映画を見る前に原作を読んで、自分の中に沈ませておく
3 原作は読まない。映画だけを楽しむ

今回、わたしは2の方法を選んだ。
来年の公開までに、物語が自分の中にうまく沈み込んでいくのを待つ。
いまのこの思いと、映画を見終えたあとの思いがどう違うか、
どう同じかを、楽しみにしながら。

映画は『フラガール』の李相日監督が撮り、増尾役を岡田将生がやるという。

岡田くんかぁ・・・

と、複雑である。ある意味、妻夫木くんの「悪人」よりも、
こちらのほうが衝撃的である。岡田くんがどう演じるのかも、楽しみ。

ところで、いっしょに借り出した『東京湾景』には驚いた。
タイトルと男性主人公の名前しか、同じじゃない。
これほど大幅な改変を、著者はよくぞOKしたのものだと思う。
原作に忠実な『東京湾景』が見てみたい。映画化しないかな。
それこそ、亮介は岡田将生くんが似合うと思う。色は白いけど。
涼子はだれかなぁー。仲間由紀恵でもいいような気がするなー。

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2009/11/13

ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない(59/100 '09)

『キサラギ』がものすごくおもしろかったので、
ものすごく期待して試写に行ったのだけど、
これは『キサラギ』とはまったく違う映画でした。
考えてみれば「そりゃそうだ」なんだけど。
同じもの撮ってても進歩がないじゃんね。

なんだけど、やっぱりちょっと物足りない感があるのだ。
随所に散りばめられた小ネタは気がきいているし、
間とかタイミングとか、かなりこだわって作っているのだけど、
どうも役者と監督の一体感が感じられないのだ、『キサラギ』ほど。
なんということはないふつうのセリフを、なんともビミョーなモノに変える力を、
『キサラギ』の出演者の面々は有していたのだなぁとしみじみ思った。
たとえば同じ「はい」や「いいえ」でも、間の取り方や言い方でずいぶん意味は変わる。
監督が生み出したいという意味合いと実際のそれとが、『キサラギ』は近かった気がする。

笑いとドキドキと笑いとハラハラが、ジェットコースターに乗っているように、
ものすごい短いスパンで入れ替わる展開ではなく、
ドラマ性を見せることに力が入っている点でも、大きく違っている。
芝居というよりは映画だ。映画を見に行っているんだから、映画でいいのだけど。

頭ではものすごくよくわかっているんだけど、どうも心が納得いかない。
小池くんは頑張っていたけどね。一生懸命な感じが伝わってきました。

個人的には、本当に申し訳ないけど、品川さんがダメでした。
役の上でのことだとわかっているのだけど、どうにも受け入れられず。
こういうタイプの人にものすごく嫌悪感を感じるのだけれど、
ある意味、それをスクリーン上で感じさせたという点では、怪演なのかな。

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あなたが寝てる間に…(58/100 '09)

サンドラ・ブロックの『あなたは私の婿になる』を見て、
なんとなく見たくなって、借りてみた。
もうだいぶ前(1995年!)の作品で、サンドラものすごく若い。

駅の改札で働いているルーシーにはあこがれの人ピーターがいる。
あるときホームに転落した彼を助けたところ、
彼の一族から婚約者だと勘違いされ、本当のことを言えず・・・
昏睡状態のまま目を覚まさないピーターを見舞ううち、
家族のいないルーシーはピーターの家族の温かさに焦がれ、
いつしかピーターの弟ジャックに想いを寄せてゆく・・・

と、言ってみればこれも王道のストーリーなのだけど、
それ以上に、映画の空気感というか、温かさに惹かれる。
ちょうどクリスマスから新年にかけてのお話なので、
寒々とした景色に色あせた木々、時折舞う白い雪だけの画面。
急ぐことなく、ゆったりと流れていく時間はまるで、
どこかの誰かの日常を切り取ったかのようで、
派手さもなければ、へんな格好つけもなく、いたってシンプル。
そんな中に、まったく違和感なくとけ込んでいるサンドラ。
そして何より、トークンのかわりにコロンと指輪を投げ込むシーン。
あああぁぁぁ、と、ここまでに完全にルーシーに感情移入している身には、
心がとろけるような演出。

サンドラはラブコメにハマるという意見には同意するけれど、
個人的には、ふつうの市井の人を演じているほうが好き。
本作や、『ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密』の、サンドラ。
大きな声を張り上げなくても、身振り手振りで感情を表さなくても、
いちばん、役のきもちが伝わってくる気がする。

そして、個人的にとても、ネコを飼いたくなった。
一人暮らしの彼女がネコを飼っていて、ネコ飼いたい病のあたしには麻薬のようだった。

クリスマスが近くなると、こういう映画を見たくなる。

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